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 ▼米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 12:03
   ┣Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  しろは 04/11/4(木) 14:01
   ┃  ┗Re(2):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 14:30
   ┃     ┣Re(3):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  しろは 04/11/4(木) 14:42
   ┃     ┗Re(3):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ワン太郎 04/11/4(木) 15:49
   ┃        ┗Re(4):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 16:14
   ┃           ┗Re(5):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ワン太郎 04/11/4(木) 17:58
   ┃              ┗Re(6):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 18:20
   ┃                 ┗Re(7):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ワン太郎 04/11/5(金) 8:54
   ┃                    ┗Re(8):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  北の老兵 04/11/5(金) 11:42
   ┣Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 14:12
   ┗Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ウミサチヒコ 04/11/4(木) 16:56
      ┗Re(2):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  流水 04/11/4(木) 17:20
         ┗猿の惑星  ウミサチヒコ 04/11/5(金) 12:08
            ┗Re(1):猿の惑星  流水 04/11/5(金) 13:50

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 ■題名 : 米国大統領選以降の世界:日本の選択は?
 ■名前 : 流水
 ■日付 : 04/11/4(木) 12:03
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   米大統領選の結果が出た。残念ながら、ブッシュ大統領の勝利である。
しかし、大統領選は、基本的に米国の国内問題であり、結果は結果として米国民の選択であるので、仕方がない。
問題は、米国が世界の唯一の覇権国家であり、その政策が世界に甚大な影響を及ぼすところにある。
【ブッシュ政権の政策の方向性予測】

1、タカ派的政策継続⇒単独覇権主義(パックアメリカーナ)・米国流民主主義の押し付け路線・イスラエル支持・財政赤字拡大路線。
2、中道的政策回帰⇒国際協調主義・欧米強調路線・パレスチナ国家建設・財政赤字縮小政策・世界の多様性を認める。

ブッシュ政権が、どちらの政策を選択するかは、いまのところ定かではないが、どちらを選択するにしても、そう簡単に現在の苦境から脱出することは難しい。

【1の政策を選択した場合】
現在の米軍は、戦場に配備されている兵の割合が、15%以上であり、兵の酷使状況が目立つ。しかも、財政赤字が急拡大しており、これ以上の軍事費増強は、ドルの暴落、株の暴落、長期金利の上昇を招きかねない。つまり、米国は、軍事的にも経済的にも世界唯一の覇権国家としての地位を維持するのが困難な情勢になると予測できる。この危機を脱するために、さらなる戦線拡大を図ろうとする考え方が出てきてもおかしくない。ネオコンなどのタカ派の思考法は、この危険性が大である。
そうなると、イラン・シリアなどに戦線拡大。その場合、イスラエルの参戦確実。そうなれば、中東の情勢は一気に液状化する危険性が大。同時に、ロシアのカフカス地方などへの介入も現実化。中東から中央アジアへかけての情勢が流動化し、世界は一気に不安定化する。
その後の米国は、孤立化し、米大陸に引き上げ、世界はEU・中国・ロシア。インドなどいわゆる群雄割拠の【多極化】時代に入る可能性が高い。

2の中道派政策、【国際協調路線】に転換しても、おそらくブッシュ政権ではあまりうまくいかない。

第一に、米国という国の国格(倉本聡氏の造語:人間で言う人格)とブッシュ大統領の人格そのものが、信用されていない。
イラク戦争の大義名分(大量破壊兵器がない、とかフセイン元大統領とアルカイダの関係など)の嘘がもたらしたものは、米国が考えているよりはるかに重い。世界中に米国は信用できないという評価が定着した。
第二に、米国の経済力の潜在力がどれだけあるのか、という問題である。強いドル政策を堅持できるだけの潜在力があるかどうか、はなはだ疑問である。二期目のブッシュ政権中に、ドル安・株安・金利高の局面が訪れる可能性が高いと、考える。
そうなると、米国から世界の金が引き上げられ、米国経済はきわめて困難な状況に陥ることが考えられる。

この二つの要因から考えて、米国が国際協調路線にシフトチエンジしても、1と同じく世界はゆるやかに【多極化】方向へ向かうと考えられる。

日本は、この多極化の時代の中でどう生きるか、を考えなければならない。米国追従路線では、米国の地位低下とともに日本もゆっくりと沈没する以外になくなる。
二期目のブッシュ政権と如何に適切な距離をとるかを考えなければ、日本の衰退は避けられないと思う。
イラク撤兵問題は、軍事的文脈ではなく、上記の文脈で考えなければならない。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : しろは  ■日付 : 04/11/4(木) 14:01  -------------------------------------------------------------------------
   流水 様 こんにちは よろしくお願いします

>イラク戦争の大義名分(大量破壊兵器がない、とか
>フセイン元大統領とアルカイダの関係など)の嘘がもたらしたものは、
>米国が考えているよりはるかに重い。
>世界中に米国は信用できないという評価が定着した。

日本が必要とするのは中東での一つ良い面での風評ですか?

しかし難しい世の中なのですね。
国家の長はうそつきでなければ務まらないものなのでしょうか?

しろは

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(2):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/4(木) 14:30  -------------------------------------------------------------------------
   ▼しろはさん:

●日本が必要とするのは中東での一つ良い面での風評ですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去の日本や日本人は、中東では非常に評判が良かったのです。
今回のイラク派遣は、戦後、中東地域で日本が営々と築き上げた評判を
食いつぶしているのだと思います。
前の人質事件の解決は、この日本に対する好印象がその基盤にあったことは
間違いありません。
その意味で、これからの日本の振る舞いは、難しくなるでしょうね。

>●しかし難しい世の中なのですね。
>国家の長はうそつきでなければ務まらないものなのでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国家の長は、例外なく嘘つきだと考えて間違いありません。ただ、嘘も方便か、意図的な嘘つきかで評価は分かれると思います。
国家機関は、情報が集中します。すべての情報を国民に明らかにすることは、どんな権力者でも難しいのです。つまり、権力者にとって、情報隠し、虚偽などは、構造的なものです。
これを善意で行うか、悪意で行うかによって、評価が分かれるのだと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(3):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : しろは  ■日付 : 04/11/4(木) 14:42  -------------------------------------------------------------------------
   ご丁寧にお返事どうもありがとうございます

>権力者にとって、情報隠し、虚偽などは、構造的なものです。
>これを善意で行うか、悪意で行うかによって、評価が分かれるのだと思います。


悪意を持った善人と善意を持った悪人の差ですか?
難しいです

大統領と言う存在が=「一人」ではなく集団で作り上げた人物像
がそこにあると言った感覚でしょうか

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(3):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : ワン太郎  ■日付 : 04/11/4(木) 15:49  -------------------------------------------------------------------------
   ▼流水さん:
>▼しろはさん:

横から失礼。
>
>●日本が必要とするのは中東での一つ良い面での風評ですか?
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>過去の日本や日本人は、中東では非常に評判が良かったのです。
>今回のイラク派遣は、戦後、中東地域で日本が営々と築き上げた評判を
>食いつぶしているのだと思います。
>前の人質事件の解決は、この日本に対する好印象がその基盤にあったことは
>間違いありません。

<「戦後」築き上げた評判>ですか?
(なぜ、敢えて そういった臭いをお付けになるのか? 素直にいきましょう!)

先回の人質事件のどちらかの一人が、
「我々が助かった要因は『日本の歴史』です」と言われました。

超大国ロシアと戦って勝ち、アメリカと4年間も対等に戦った、
そして原爆の悲惨な被害を受けても 立ち直った日本に対し、
過剰(?)な羨望・尊敬と共に親近感を持ってくれている(いた)のだそうです。

私も(少ない経験ですが)昔し 中東の人から「トウゴウ」という名前を聞かされ
日露戦争の連合艦隊長官の名前と気がつくまでには時間がかかりました。

>
>>●しかし難しい世の中なのですね。
>>国家の長はうそつきでなければ務まらないものなのでしょうか?
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>国家の長は、例外なく嘘つきだと考えて間違いありません。
>すべての情報を国民に明らかにすることは、どんな権力者でも難しいのです。つまり、権力者にとって、情報隠し、虚偽などは、構造的なものです。
>これを善意で行うか、悪意で行うかによって、評価が分かれるのだと思います。

政治家の行動を「善意・悪意」では推し量れないのではと考えています。
村山さんが阪神の震災の時、『悪意ではない』けれど自衛隊の出動を躊躇した、
その結果、1000人の人々を見殺しにしてしまった。

もし(敢えて「もし」を使います)
地震発生を千載一遇の機会と『悪意』を持って 自衛隊出動を促した首相だったら・・・(1000人は見殺しにならないで済んだハズ)

どちらを選んだら良いのか・・・とても悩ましいのです。
どちらが「政治」なのか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(4):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/4(木) 16:14  -------------------------------------------------------------------------
   ▼ワン太郎さん:
●「戦後」築き上げた評判>ですか?
(なぜ、敢えて そういった臭いをお付けになるのか? 素直にいきましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中東地域への援助ですよ。もう一つは、各企業の努力でしょうね。これは戦後でしょう。何でも色眼鏡で見る癖は、止めなければね。

●そして原爆の悲惨な被害を受けても 立ち直った日本に対し、
>過剰(?)な羨望・尊敬と共に親近感を持ってくれている(いた)のだそうです。
>
>私も(少ない経験ですが)昔し 中東の人から「トウゴウ」という名前を聞かされ
>日露戦争の連合艦隊長官の名前と気がつくまでには時間がかかりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何でそう戦争史観だけで物事を見るのでしょうね。自分の日常生活を良くしてくれる人は、誰でも評判が良くなりますよ。自分の家が震災で困っているとき、助けてくれる人は神様に見えますよ。それと同じですよ。日本が戦後この地域で行ってきたことは、そういうことです。
>
>>
●政治家の行動を「善意・悪意」では推し量れないのではと考えています。
>村山さんが阪神の震災の時、『悪意ではない』けれど自衛隊の出動を躊躇した、
>その結果、1000人の人々を見殺しにしてしまった。

これも前後の文脈を読んでもらえば、このようなコメントはつかないはずです。
わたしは、政治家の情報隠しとか嘘について書いています。この場合の善意とは、国民に無用な動揺や不安を与えないために行う情報隠しや嘘を意味します。悪意とは、自分の真意を秘すために、意図的に情報操作や情報隠し、嘘をつくことをさします。
村山元首相が善意の人とか、悪意の人とかは今回の議論に関係ありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(5):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : ワン太郎  ■日付 : 04/11/4(木) 17:58  -------------------------------------------------------------------------
   ▼流水さん:
>▼ワン太郎さん:

どうして、すぐ「尖がって」しまわれるのか、私の言い方に問題がありますか?

>何でそう戦争史観だけで物事を見るのでしょうね。

私が そう言っているのではなく、中東の人々が日本人に対してそういう感情を持っている、
と言う「新聞のコラム」に書かれたものがあって、それに私の体験を加えただけの話しです。

それを<戦争史観>と過剰反応をされるところが「奇妙」に思えます。


>自分の日常生活を良くしてくれる人は、誰でも評判が良くなりますよ。自分の家が震災で困っているとき、助けてくれる人は神様に見えますよ。それと同じですよ。日本が戦後この地域で行ってきたことは、そういうことです。

ですから、「戦後」の 経済援助に「限って」話されるのは、「妙」だと感じただけです。
「戦前」のことも「戦後」に劣らずありますよ、と言っているのです。


>●政治家の行動を「善意・悪意」では推し量れないのではと考えています。
>>村山さんが阪神の震災の時、『悪意ではない』けれど自衛隊の出動を躊躇した、
>>その結果、1000人の人々を見殺しにしてしまった。
>
>これも前後の文脈を読んでもらえば、このようなコメントはつかないはずです。
>わたしは、政治家の情報隠しとか嘘について書いています。この場合の善意とは、国民に無用な動揺や不安を与えないために行う情報隠しや嘘を意味します。悪意とは、自分の真意を秘すために、意図的に情報操作や情報隠し、嘘をつくことをさします。
>村山元首相が善意の人とか、悪意の人とかは今回の議論に関係ありません。

これまた、そうムキにならなくても・・・
私の趣旨は<政治家の行動を「善意・悪意」では推し量れないのでは>と言っているだけのことです。
確かに 流水さんの趣旨からズレてはいますが、そんなに・・・ね?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(6):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/4(木) 18:20  -------------------------------------------------------------------------
   ▼ワン太郎さん:

>
>どうして、すぐ「尖がって」しまわれるのか、私の言い方に問題がありますか?

わたしの誤読なら、謝りますが、わたしにはそうは読めませんでした。
あなたが、最初に、「何で戦後に臭いをつける」と書いていますね。まず、こういう書き方は、普通の人はしませんね。わたしは、この言葉から、あなたは、わたしが戦後礼賛主義者と規定して書いている、と読んだのです。

現在、この掲示板で問題になっている人たちの投稿は、ほとんどが戦後否定、軍事優先、戦前回帰、左派否定で貫かれています。
あなたの最初の投稿内容を見てください。四点セット全て入っているでしょう。
だから、そういう稔りのない議論はしたくないという意思表示だったのです。

あなたがそういう気持ちでないなら、そういう書き方をしてください。少しでもこの掲示板を見ている人なら、誤解されると思いますよ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(7):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : ワン太郎  ■日付 : 04/11/5(金) 8:54  -------------------------------------------------------------------------
   ▼流水さん:
>▼ワン太郎さん:
>:
>>
>>どうして、すぐ「尖がって」しまわれるのか、私の言い方に問題がありますか?
>
>わたしの誤読なら、謝りますが、わたしにはそうは読めませんでした。
>あなたが、最初に、「何で戦後に臭いをつける」と書いていますね。まず、こういう書き方は、普通の人はしませんね。わたしは、この言葉から、あなたは、わたしが戦後礼賛主義者と規定して書いている、と読んだのです。
>
>現在、この掲示板で問題になっている人たちの投稿は、ほとんどが戦後否定、軍事優先、戦前回帰、左派否定で貫かれています。
>あなたの最初の投稿内容を見てください。四点セット全て入っているでしょう。
>だから、そういう稔りのない議論はしたくないという意思表示だったのです。
>
>あなたがそういう気持ちでないなら、そういう書き方をしてください。少しでもこの掲示板を見ている人なら、誤解されると思いますよ。


了解いたしました。
今後は そういった見方をされる危険性を 心に留めて 投稿するよう勤めます。

ただ一つ、私は「右」だ「左」だと区分して議論しあうのは好きではありません。
(良くないことだと思っています)
よいことは良い、悪いことは「右でも左でも」悪い としたいのです。

上記で「心に留める」と言いましたが、本来はその様なことを心に留めないで、
議論したいと言うのが本心です。

ですから、流水さんの「心に留めている」ような物言いに 揶揄するような調子を覗かせました、失礼の段お許しください。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(8):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 北の老兵  ■日付 : 04/11/5(金) 11:42  -------------------------------------------------------------------------
   ▼ワン太郎さん:
>▼流水さん:

横レスで失礼します。

一言、感想を述べさせて下さい。ご両人の言い分良く理解しました。
これが良識ある大人の議論でしょう。

老人党の掲示板はこうありたいものです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/4(木) 14:12  -------------------------------------------------------------------------
   今日の「天声人語」に面白い話が書かれていた。少し引用してみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「半世紀ほど前の米国で、ある小さな新聞の編集長が一つの実験をしたという。請願書を持ち、100人以上の市民に署名を頼んだが、応じたのは1人だけだった。他の人は『反政府的すぎる』として署名を拒んだ。その請願書は、実は米国の有名な独立宣言の有名な文章だったが、市民たちはきずかなかった」(ウオルフレン著:「世界の明日が決する日」所収)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(独立宣言の文章)
「われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由および幸福の追求の含まれることを信じる」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

半世紀前の米国の状況を考えれば、この指摘はうなづける。マルテイン・ルーサー・キング牧師の公民権運動などにより、黒人たちの権利が認められたのも、わずか30年ほど前である。
つまり、独立宣言に込められた思想・理念などは、多くの市民には単なるお題目程度の意味しか持っていなかったということであろう。

わたしたちは、米国のことを笑うことはできない。編集長と同じ手法で、日本国憲法の文言を請願書に書いて、街頭へ出た場合、ひょっとしたら同じことになるかも知れない。

それだけ、美しい言葉、理念などは、それこそ日常的に繰り返し繰り返し考え続けねば、定着などは難しいということである。憲法に記載されている『不断の努力』とは、平和とか人権とかなどという美しい言葉、理念などは、一瞬にして失われるもろいものである、ということを示しているのだろう。

ブッシュ政権の存続は、長年月にわたって人類が生み出してきた理念が崩壊する危険性が拡大したということを意味している。
日本もこの思想状況に無縁ではない。
香田さんのご家族にいまだに嫌がらせが絶えないことを考えれば、独立宣言の文言を左翼と非難する連中が出ても不思議はない。

先に書いたウオルフレンの文章が、『米国人の無知がアメリカを崩壊させる』という章で書かれているのも、なにやら暗示的である。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : ウミサチヒコ <hrdjapan@me.scn-net.ne.jp>  ■日付 : 04/11/4(木) 16:56  -------------------------------------------------------------------------
   ▼流水さん

>今日の「天声人語」に面白い話が書かれていた。少し引用してみる。
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>「半世紀ほど前の米国で、ある小さな新聞の編集長が一つの実験をしたという。請>願書を持ち、100人以上の市民に署名を頼んだが、応じたのは1人だけだった。他の>人は『反政府的すぎる』として署名を拒んだ。その請願書は、実は米国の有名な独>立宣言の有名な文章だったが、市民たちはきずかなかった」(ウオルフレン著:>「世界の明日が決する日」所収)
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>(独立宣言の文章)
>「われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、>一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由および幸福の追求の>含まれることを信じる」
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

衝撃的事態ですね。「サルの惑星」もガンメン蒼白でしょう。猿の惑星では、チャールトン・ヘストンが砂浜でセルロイドの人形に何気なく気付き、それからその先の不自然な影を追います。カメラアングルは、その影の主が自由の女神であることをチャールトン・へストンに教えます。「ななんと、ここは地球であったのだ!」という叫びは、衝撃的なものでした。
アメリカ市民が独立宣言を異質なものと感じたのは象徴的です。久しくアメリカは、かつてあったアメリカという「大陸」の上に存在するちがったもの、になってしまったのでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(2):米国大統領選以降の世界:日本の選択は?  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/4(木) 17:20  -------------------------------------------------------------------------
   ▼ウミサチヒコさん:
●衝撃的事態ですね。「サルの惑星」もガンメン蒼白でしょう。猿の惑星では、チャールトン・ヘストンが砂浜でセルロイドの人形に何気なく気付き、それからその先の不自然な影を追います。カメラアングルは、その影の主が自由の女神であることをチャールトン・へストンに教えます。「ななんと、ここは地球であったのだ!」という叫びは、衝撃的なものでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたしもこの場面、よく覚えています。
人間の愚かしさを象徴的に示していたと思います。

●アメリカ市民が独立宣言を異質なものと感じたのは象徴的です。久しくアメリカは、かつてあったアメリカという「大陸」の上に存在するちがったもの、になってしまったのでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたしは、東部や都市部の人間と、南部や中西部の田舎の人々とは、全く違う世界の住人ではないかと思っています。
多分、わたしたちは、都市部の人間の感性をアメリカと錯覚しているのではないでしょうかね。
以前書いたことがありますが、識字率80%程度の国です。日本でもそうですが、日本国憲法をきちんと読んで、自分なりに咀嚼している人は、意外と少ないのではないでしょうか。
まして、移民が多く、識字率は低い、ときているのですから、独立宣言の文言など覚えていないのもむべなるかな、とも思えますね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 猿の惑星  ■名前 : ウミサチヒコ <hrdjapan@me.scn-net.ne.jp>  ■日付 : 04/11/5(金) 12:08  -------------------------------------------------------------------------
   ▼流水さん:29855
米独立宣言や日本国憲法をなにか危険思想のようにして、遠巻きにする市民って、一体、何なんでしょうかと、考えてしまいました。人類って、ホントに進歩しないというか、退歩することもある証拠です。
私は「進歩史観」、とでもいうべきものを持っているんですが、こりゃあ考え直しものですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):猿の惑星  ■名前 : 流水  ■日付 : 04/11/5(金) 13:50  -------------------------------------------------------------------------
   わたしは、科学技術の進歩と人間の退歩は反比例する、と考えています。
TVに良く出ていたサンコンというアフリカ系外国人がいましたね。彼の出身の村で、視力を測る実験をする番組がありました。
あきれたことに、彼の村では視力5クラスの人間がざらにいました。
ウルルン太平記でしばしば見る光景ですが、山岳民族の脚力は驚くべきものです。

犬の聴力は、人間の一万倍だそうですが、人間も犬ほどではないにしても、相当な聴力を持っていたに違いありません。ねずみが天変地異に敏感なのは知られていますが、人間もかなりな危険予知能力を持っていたはずです。

文明の進歩とともに、人間は本来備わっていた能力を失っている、つまり退歩し続けているのだと思います。
現代という時代は、これがある意味で極限に近づいているのだと思います。

人間の悲しい性ですが、人間という生き物は、『極端』から『極端』に振れやすいものです。科学技術花盛りの時代に生きながら、否花盛りであればあるほど、それを全否定したような価値観に生きる人間が増えているのです。
米国で言えば、これが「クリスチャン・コアリション(キリスト教原理主義者)」でしょう。彼らは、地動説を否定した教理を信じているそうですが、これは論理的世界の行き着く先に不安を感じた人々の心のゆれでしょう。

日本でいえば、オーム真理教のような非合理な世界にのめりこむ人々のようなものです。多くの若者が、ナショナリズム的信心情にひかれるのも、論理の行き着く先に不安を覚えた心の振幅の大きさでしょう。

ただ、彼らが理解していないのは、自分が『極端』から『極端』に振れているということなのです。この自覚なしに、『極端』にとどまり続けている人間が増えると、時代の狂気が深まります。
日本も、この掲示板が象徴するように、じょじょに時代の狂気に巻き込まれつつあります。
どうも人間は、同じ過ちを繰り返す動物なようです。

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