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 ▼倉本 聰 氏(作家・北の国から等)のメッセージです  依子 04/4/13(火) 3:40

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 ■題名 : 倉本 聰 氏(作家・北の国から等)のメッセージです
 ■名前 : 依子
 ■日付 : 04/4/13(火) 3:40
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   ++ 転載可 ++

今井直子 様

前略。

御家族の皆様の御心中、衷心よりお察し申し上げます。 こゝ四日間の世の中の動き、小生の頭では整理つかぬまゝ、 しかし、鋭い痛みと激しい怒りでいっぱいです。

殊に、一国の総理が、自衛隊撤退という選択肢を最初から 捨ててかゝり、一顧だにしないという不思議な態度。

はっきり云いますが、そもそもアメリカのあやまちなのです。

大量破壊兵器。見つかったのですか?

それがそもそもの起源だったのに、そのあやまちにのることが 日本の国益だとする小泉氏の考え方。

それは日本国民の考え方とどんどん離れて行きつゝあるように思います。

国益はたしかに大切ですが、しかし「国格」―――人格に相当する国格は国益に勝る一国の尊厳だと僕は思います。

国益を重視して、人質を救出する最大の選択肢を最初から放棄してしまうこと。

いかなる理由があろうとも、政府のとった今回の態度には、 激しい憤りを覚えます。

この事件が如何なる形で集結しようとも、この問題は、 現政権を選んでしまった我々国民の責任として、 これからの選挙に反映させねばならぬ、重要な今後の課題でしょう。

今僕たちに何が出来るのか。

皆様から突きつけられている悲痛な叫びを、 自分の痛みとして味わっています。

国の代表者に切望いたします!

国益より国格を考えて下さい。

国家の尊厳、国民の尊厳を考えて下さい。

国格なき国家は悲しい国家です。

あなたの家族、あなたの友人が人質にとられたら、 やっぱりあなた方は同じ選択肢をとるのでしょうか。

あらゆる面子や利害関係を捨て、人の命を考えて下さい!

国民の命を預かっている最高責任者として それがあなた方の最大の仕事なのだということを、もう一度熟考して下さい。

御家族の皆様のご苦渋の前で、何も出来ぬ非力をつくづく感じます。

三人の方の無事の救出を、只衷心より祈るばかりです。

北海道富良野  倉本 聰

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