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 ▼外から見た日本 (その1)  東京市民 04/6/12(土) 18:50
   ┗Re(1):外から見た日本 (その1)  石頭の息子 04/6/12(土) 22:07

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 ■題名 : 外から見た日本 (その1)
 ■名前 : 東京市民
 ■日付 : 04/6/12(土) 18:50
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   旧友のT氏を訪ね十日間ほどトルコへ行ってきました。T氏はトルコ最高学府の頂点に立つボスポラス大学(ボアジチ大学)の法学部・政治学部の元教授で、教え子には高級官僚や議員が多く、現政権の大臣にも教え子がいるとのことでした。
同氏は四十年ほど前、国費留学生として来日した際私と同級生になりましたが、日本語習得の為我が家にホームステイし、三年間ほど生活を共にした仲です。
日本の政治や社会についても造詣が深く、三年ぶりの再会を喜ぶと共に政治問題を中心に様々な意見交換を行ってきました。以下にT氏の提言なり考え方の一端を参考までにご披露申し上げます。
1.無党派層の増大について
政治に関心を持たない人はどこの国にもいるが、有権者の半数近くもいることは異常としか言いようが無い。このような人達は日常生活に満足しており、時の政権の政策や不手際で多少の不利益を受けても耐えられる人達であり、日本が豊かな証拠であると思う。しかし、満足感に浸っている間に、(少し)豊かな人々から搾取しようと画策する勢力がいることを忘れてはならない。それは政治家と官僚で場合によっては企業経営者がからむこともある。搾取は増税や社会福祉の削減という形で現れる。彼等が真に政治参加の必要性に目覚めるのは失業したり倒産した時である。
毎日の生活に満足しているこのような人達に対しては、政治家の不正や官僚の不手際を彼等の心に刻み付ける活動を継続することだ。搾取する者達は時間をかけて彼等の心を麻痺させる術を心得ているので、それに対抗するには同等の努力が求められるのは言うまでもない。
2.政治家と官僚の不正・不作為の防止対策について
かつてトルコも彼等に悩まされたし、今でも不正・不作為が無くなったわけではない。しかし、建国の英雄で初代大統領であったケマル・アタチュルクの教えは今でも生きており、国民に害をなす者は厳しく罰せられる伝統がある。それはトルコ刑法典(TCK)に現れている。政治家や官僚の不正は一般の国民よりも数倍重い刑罰が適用されている。彼等に厳しい倫理観を求めるのは当然だが、立場上様々な誘惑に踊らされるのも事実であり、不正を防止するには厳罰しかないと思う。
それ以外の方法があるならば教えて欲しい。死刑制度を廃止したトルコには、不正をして裁判にかけられ生涯を牢獄で過ごす(終身刑)政治家や官僚もいるが、恥ずかしい限りである。(汚職事件の刑罰は最低でも懲役5年とのこと)
3.北朝鮮との関係について
かつてトルコはギリシャ、イタリア、フランス、ロシアなどに領土を占領され蹂躙された。ケマル・アタチュルクは彼等を国土から追い出す為に先頭に立って戦い、60万人の死者と百数十万人の負傷者を出しながらも独立を勝ち取った(当時の人口は約2200万人、現在は約7000万人)。以来トルコはこの貴重な体験から近隣諸国との外交には最大限の努力をしてきた。アンカラのアタチュルク廟の入り口通路の左右に並んでいる16頭のライオンは、口を開け牙を剥き出しているが皆座っている。これはトルコの主権を侵す者には容赦しないが、基本的には友好を旨とする外交姿勢を表している(現在トルコには徴兵制がある)。第二次大戦を除き日本は他国から蹂躙された経験を持っていない(但し、旧満州、朝鮮は除く)。永年平和な環境下で過ごした日本にとって外交とは一種の社交ではないのか。しかし、どんなに友好的に振舞ってもそれを理解しない人もいることを忘れるべきではない。独立を守るにはそれなりの犠牲が伴うことをトルコ国民は知っている。北朝鮮はやっかいな相手だが、日本の政治家が外交能力を立証する格好の相手だと思う。政治家として外交を任せられるのは誰なのか、国民にとって願っても無いチャンスではないのか。

その他の問題については稿を改めてお知らせしたいと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):外から見た日本 (その1)  ■名前 : 石頭の息子  ■日付 : 04/6/12(土) 22:07  -------------------------------------------------------------------------
   東京市民さん、

しばらくお見かけしませんでしたが、トルコですか、親日的だそうですね。

次稿を心待ちにしています。

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