Page 708 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼外から見た日本 (その2) 少し考える葦 04/6/14(月) 17:10 ┗Re(1):外から見た日本 (その2) 少し考える葦 04/6/14(月) 17:13 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 外から見た日本 (その2) ■名前 : 少し考える葦 ■日付 : 04/6/14(月) 17:10 -------------------------------------------------------------------------
スレッドNO.10077の続きをご報告申し上げます。 4.憲法について 日本で憲法改正論議が出ていることは知っている。第九条(戦争放棄)の扱いが焦点のようだが、他国との紛争解決の手段として武力行使をしないと謳った憲法は、歴史上例を見ないものである。過去幾度も外国の侵略を受けたトルコではとても考えられないもので、日本国憲法は地球上の人々にとって理想のものであると思う。 しかし、永世中立を宣言し第二次大戦中でも平和を維持してきたスイスでさえも軍隊を持ち、他国の侵略には武力で反撃するとしている。 日本が武力行使をしないのであれば世界有数の軍隊(自衛隊)など必要ないと思うが、事実は憲法の定めと大きくかけ離れており、外国人はこの矛盾を理解できない。 要は世界の趨勢を冷静に分析して日本人自身が決めることだが、アタチュルク廟のライオン像の如く、平和を基本において侵略する者には断固として反撃する態勢を整えることも必要ではないのか。第九条を遵守することは崇高な信念だが、現憲法擁護論者は侵略を受けた時どのように対処するのか具体的に明示しないと、多くの国民の理解は得にくいと思う。国連は世界大戦の経験から人類が獲得した平和維持機能の一つだが決して万能ではない。いつでも国連が自国を守ってくれると思い込むのは危険だと思う。 また、六十年間一度も改正されていない憲法は現実と大きく乖離している部分もあると思う。日本が民主主義国家であることは誰でも認めることだが、民主主義が十分機能しているのか政治・社会の全面に亘って検証し、欠けている部分の補修も必要ではないのか。どんな国にも武器を持つと使いたくなる人間が出てくるもので、危険因子を確実に駆逐するには民主主義があらゆる面に浸透し機能していることが大変重要であると思う。 5.食料自給について 後進国の人口増加は今後の食料事情に大きな影響を及ぼすことは確実である。人口の増減は数十年単位の問題だが、食料は一年間不作が続くと直ちに影響が出る。 トルコの食料自給率は百パーセントであり、一部の作物は輸出もしている。政府は熱心に工業化を進めているが、食料自給率は現行水準を絶対に落とさないと言明しており、政権が変わろうともこの方針は変わらないと思う。過去の侵略者達は国民を従わせる為しばしば食料を武器に使ってきた経緯があり、国が独立を保つ為には軍事力と同等に食料が重要であることを国民はよく知っている。 百パーセントは無理でもそれに近づける努力はどの国でもやっている。ヨーロッパの先進国は食料の重要性を知り尽くしているので、輸入に頼る食料政策を採用している国などどこにもない。日本の自給率は先進国の中でも最低だが、輸入が半分以上もあることを国民は知っているのだろうか。もしもトルコが日本のようであったら、国民は夜も寝むれないのではなかろうか。 6.愛国心について トルコでは小学校一年(五年制)から独立戦争のことを詳しく教えている。また親達も侵略された時代の苦しさと独立した時の喜びを語り伝えている。従って、子供達の心には自然に独立を維持することの重要性が植え付けられており、いざと言う時には銃を持つことを厭わない精神が根付くのだと思う。歴史を正しく理解することこそ、愛国心を醸成する出発点であると思う。自国の歴史を正しく理解し歴史から多くのことを学ぶのは、大人になる為に避けて通れない問題である。 その他様々な問題について意見交換をしてまいりましたが、トルコの良識を代表するT氏の示唆に富んだお話には深く考えさせられました。 終わり |
投稿者の名前を間違えました。正しくは「東京市民」です。 |