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 ▼産業技術を支える経営哲学  たけチャン 05/7/11(月) 21:15

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 ■題名 : 産業技術を支える経営哲学
 ■名前 : たけチャン
 ■日付 : 05/7/11(月) 21:15
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   かってアメリカの自動車産業は世界を制覇した。今はどうか。昔の面影はない。大幅値引きをして、現状維持に四苦八苦である。それでも、直近の4半期で赤字経営である。なにも、自動車産業だけではない。鉄鋼、航空機産業も同じ道を辿っている。その原因は、利益だけを求める「経営哲学」にある。例えば日本の日産も、アメリカ自動車産業と同じ道を辿ろうとしている。

日産の05年3月期連結売上高は前期比15.4%増の8兆5762億円、本業のもうけを示す営業利益は4.4%増の8611億円、最終利益は1.7%増の5122億円と、それぞれ過去最高を更新した。だが、この利益は全てフランス本社ルノーに移転である。次の技術革新に再投資されない。

「早ければ来年、遅くとも5年後には日産の業績は再び下降線を描くのではないか」(神奈川県の中堅部品メーカー幹部)との指摘があるのだ。なぜか? 「ゴーン社長は日産再建の過程で系列をバッサリ切り捨てた。安ければいいという感覚で部品を調達したものだから、技術力のある部品メーカーが日産から離れてしまった。日産の新型車にはトヨタ自動車やホンダが導入したような新技術はない。今や日産の売りはデザインだけ」と、日産系部品メーカー関係者は打ち明ける。
 生産ラインも、コストを優先するあまり、新技術の導入が遅れている。トヨタ、日産と取引がある生産装置メーカーのトップは、「トヨタは新しい生産設備が発売されれば直ちに更新するが、日産は昔から使っている設備を値切って買うことに腐心している。生産技術でもトヨタとの差は開くばかりだ」と懸念する。

企業にとって利益は重要である。しかし、その利益のために企業の技術革新がおろそかになっては、アメリカ自動車産業の二の舞ではないか。それを分っていながら、だめになったら、ゴミ箱にポイ、というのが欧米の経営哲学である。

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