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 ▼安保条約の幻想  少し考える葦 04/8/19(木) 10:54
   ┣Re(1):安保条約の幻想  安本単三 04/8/19(木) 15:11
   ┗Re(1):安保条約の幻想  ウミサチヒコ 04/8/19(木) 18:12
      ┗Re(2):安保条約の幻想  少し考える葦 04/8/19(木) 18:47
         ┗Re(3):安保条約の幻想  ウミサチヒコ 04/8/19(木) 19:50

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 ■題名 : 安保条約の幻想
 ■名前 : 少し考える葦
 ■日付 : 04/8/19(木) 10:54
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   米軍基地の七割以上を沖縄に留めおき、本土の人々(大多数の国民)は日頃基地問題に想いを馳せることなどないのであろう。この度起きたヘリ墜落事故は、沖縄で日常茶飯事に起きている事件・事故のうち少し目立ったものでしかない。(沖縄在住の知人の話)
事故後に米軍がとった対応は正に占領軍そのものであった。主権国家に対し、米軍司令官は有無を言わさず私有地の立ち入りを制限し、警察の現場検証を禁止するなど、傍若無人の振る舞いであった。これに対し日本政府は一言も発せず、米国追従振りを国民に知らしめた。
政府のこの態度の根幹をなすものは、日本が攻撃を受けた時米軍が守ってくれる、との安保条約がその根拠になっている。また一般国民も米国が我が国を守ってくれると信じている人が多いのではないかと思う。しかし、我々は「米国が日本を守る」との幻想からそろそろ覚めてもよい頃である。米国に駐在し米国人とのビジネスに従事してきた経験から言うと、米国人は何ら利益のない戦争に加担することなど決してないと言うことだ。二億四千万人の米国人のうち、地図上で日本の位置を正確に指し示せる人間は一割もいないだろう。ビジネスで日本を相手にする人、日本研究者、政府関係者、一部の議員達、有識者などは別にして、一般国民で日本に関心を寄せる者はほとんど居ないのが実態である。米国民は日本とは比較にならないほど納税者意識が強い。日頃馴染みのない日本に戦乱が起きたからと言って、自分の息子や娘、夫や友人達が戦地に向かうことを無条件で認めるだろうか。多額の税金が戦費として浪費されることに賛成するだろうか。答えはNOである。たとえ政府が条約を盾にしても、直ぐに大規模な反対運動が起きることは間違いない。イラク戦争は虚偽の情報によって米国民の正義感をくすぐり、「悪漢退治」を大義名分としたことがブッシュ支持を80%にまで引き上げた。加えて石油利権が開戦の真の動機であったことは明らかだ。仮に日本が中国や北朝鮮から攻められても、米国が日本を守る利益など少しもないことを知るべきだ。今や中国への投資は米国経済にとって不可欠のものであり、中国と事を構えることなど考えられない。北朝鮮の存在など米国には無視しても良いもので、中国をけん制する意味で六者協議を続けているに過ぎない。将来を見通した米国の外交戦略に対して、明日の外交方針すら持たない日本が、安保条約を盲目的に信じて米国に追随するのは、米国にとって甚だ迷惑なことではないのか。早く独り立ちをして欲しい、とのメッセージがパウエルやアーミテージの憲法改正論議の根拠になっているように思える。日本は一刻も早く幻想から目覚め、自分のことは自分で考え行動する時期に来ていると思う。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):安保条約の幻想  ■名前 : 安本単三  ■日付 : 04/8/19(木) 15:11  -------------------------------------------------------------------------
   ▼少し考える葦さん:
>日本は一刻も早く幻想から目覚め、自分のことは自分で考え行動する時期に来ていると思う。

現状認識は、私とほぼ一致しますが、そこからが問題です。日米安保条約と憲法第9条をどのように変えて行けば良いのでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):安保条約の幻想  ■名前 : ウミサチヒコ <hrdjapan@me.scn-net.ne.jp>  ■日付 : 04/8/19(木) 18:12  -------------------------------------------------------------------------
   ▼少し考える葦さん:

はじめまして。
仮定のお話ですが、「日本に何かあっても、米国は結局助けないだろう」「イラクの時は石油利権があったから米国民は戦争に同意した」と葦さんは仰っているわけですが、はたしてそうでしょうか。日本が北朝鮮や中国に攻められても米国は知らん顔をするでしょうか?
すべて仮定の話ですが、まづはじめに私は、「北朝鮮や中国が攻めてくる」ということを軽々しく騒ぎ立てる積りはないことをお断わりしておきます。
その上でですが、現代の世界経済は、自明のこことして、相互にリンクしています。
「日本が攻められる」などという状況が起きたら、世界恐慌になるでしょう。アメリカ経済は、破綻するでしょう。アメリカにとって日本は、イラク石油利権とは段違いな「利権」そのものです。もちろん、日本にとってもそうです。日米は相互に「利権」です。
日中、日米、日欧、いまや経済は相互にリンクしています。国民感情で、どこどことどこどこが戦ったとしたら、というような「仮定」は、安易には成り立たない、ということを申し上げます。日本がそういう立場に置かれたら、アメリカは全力でそれを阻止するのは間違いない。
今度の米軍ヘリの事件は、日米地位協定にのっとり、ヘリは米軍の財産として、米軍が米軍独自で処理する、という立場が全面にでました。たとへヘリが日本の財産の中に突っ込んでも、それでも地位協定が優先するとして強引に米軍だけで処理しました。どういう法律・法律解釈になっているのか、あきれるばかりです。しかし、これは日米運命共同体のなかでの、日常茶飯事のひとこまであるわけです。日米で仲良く現場検証するなら良い、という問題でもありません。
少し違った角度から見てみました。アメリカの危険な世界戦略、それに組み込まれようとしている日本、それは国内的には、ますます腐敗政治・利権政治の進行として現れています。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(2):安保条約の幻想  ■名前 : 少し考える葦  ■日付 : 04/8/19(木) 18:47  -------------------------------------------------------------------------
   ウミサチヒコ様
私も中国、北朝鮮が攻めてくるなどとは考えていません。ただ現在の国内世論の中に北朝鮮を仮想敵国とするような議論があることも事実なので、そのように言ったまでてす。貴方がおっしゃるとおり経済がリンクしている状況を考えれば、戦争など簡単に起こせるはずはなく、国と国との関係構築はあくまでも平和的な交渉にゆだねるのは当然のことです。
冷戦終結後の欧州を見れば明らかなように、戦争を前提とした同盟関係など意味がなくなっていることも事実です。しかし、我が国の現状は今なお冷戦時代の価値観から抜け出せていないように思います。日米安保条約を根本から見直すことが必要かと思います。その為には日本自身が防衛問題について国民的議論を重ねる必要がありますが、それをリードできる政党なり指導者が問題です。
私の言いたいことは、アメリカという国を日本人はどのくらい理解しているのか、ということです。陽気でフレンドリーな国民という程度の理解であったら、将来の日米関係を考えると道を誤ります。私は謙米主義者ではありませんが、彼等の残酷さと利己的な国民性をも十分知る必要があることを申し上げたいのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(3):安保条約の幻想  ■名前 : ウミサチヒコ <hrdjapan@me.scn-net.ne.jp>  ■日付 : 04/8/19(木) 19:50  -------------------------------------------------------------------------
   ▼少し考える葦さん:
いずこの国も、結果的ですが、半分は天使で半分は悪魔。日本人がアメリカ人より優れていると一概には思えませんし、アメリカ人だけが利己的で残酷だとも思えません。
いずれにしても、国と国、国民と国民で区分けするのはヒートアップのもとです。国といってもその中にはいろいろなシステムといろいろな人間がいるし、国や民族そのものに一定の性格を付与してする議論は、私は好みません。中国人はとか、朝鮮人はとか、ロシア人はとか、アメリカ人はとかでなく、その中の何が問題かです。
例えば、外国の人から「日本人は…」とひとくくりで言われたら、私は心外です。日本人にも、たとえば自民党あり、公明党あり、私が日本人であるからということで、一緒くたにされたら、どう思うか考えれば判ります。アメリカ人とて一緒、アメリカは…という議論は、文学の世界や民俗学では成り立つでしょうが。
考える葦さんのお考えよくわからず、推論で申し上げた点あるかもしれません。

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