Page 1386 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼松下幸之助は泣いているだろうか 月光仮面のおじいさん 04/9/10(金) 8:47 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 松下幸之助は泣いているだろうか ■名前 : 月光仮面のおじいさん ■日付 : 04/9/10(金) 8:47 -------------------------------------------------------------------------
昔日本が元気だった頃、自動車業界と並び立つ大きな業界として電機業界があった。現在トヨタ、ホンダの隆盛を見るにつけ、松下、ソニーなどの元気が今ひとつの感がある。 これに至った原因の多くに流通の仕組み作りがあると考える。今、電気商品の販売は特定の大型店に集約され、特に他店より一円でも安くを売り物にするディスカウントストアーに市場をとられてしまった。そんな前ではなくどこの町にも電気屋さんが軒を並べていたものだが、今や急激に姿を消してしまった。 おそらく、その最前線では毎日ディーラーが他店より1円でも安くするようメーカーに依頼し、セールスはその大半を価格戦争に費やされるのであろう。この行先には製造原価とは関わらない安い販売価格が一般消費者に提示される。その結果、メーカーは赤字、小売店のトントンと言った業界ごと消耗戦に至ってしる。だからどこかで早く何社かつぶれてくれないか等と泣き言が入る。 昔、松下幸之助は”安く売って自分も損をし、競争相手を倒していくのは、心無き経営者の姿。経営者には、損をする商売をしないと言う信念が必要であると語った。 しかし、今電機業界は自ら種をまいた安売り戦争に結果的に加担し、いくら作っても利益の出ない体質になってしまった。沢山の先人が苦労した新技術も何の役には立っていない。しかし、それはその気になれば止められたことである。 ちなみに今やビデオテープの価格はガムテープより安い。無残な結果である。 一方トヨタ、ホンダなどは流通を自前で確立した。決してディスカウンターを相手にしなかったのである。そして今の隆盛がある。 松下幸之助は経営セミナーで ”台湾は一割二分程度の利益が有れば何とか小売業者としてやっていける。日本は同じように二割程度とらなければやっていけない。一方アメリカは三割程度とらなければやっていけない。そして一番利益を取っているアメリカが一番困っているかと言うと、一番繁栄している。また、台湾より日本のほうが繁栄している。 先進国はヨーロッパでも、アメリカでも小売業としてはどこも利益を取っている。そしてその国の繁栄を生み出している。このように各階級の収益の増加、収益の獲得ということが、その国をして繁栄の社会を作らしめる。 最後に薄利多売をすることによって国家全体、国民全体が繁栄するかどうか、私は非常に問題があると締めくくっています。この内容は1966年の近畿商工会議所での講演ですが、 現在にも生きる内容だと思います。 ダイエーの標榜した流通革命の結果が安売りの損失分を結果的に我々の税金で穴埋めされている現状をみて、今、何よりも大事な事は、経営者の意識改革無くして、今後の日本は成り立たないと考える。 今、大事なのは良き経営者の出現による日本の舵取りこそ優先事項として考えねばならないのではないだろうか。 |