Page 1555 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼俺流とは、普通流;中日優勝に思う 流水 04/10/4(月) 10:44 ┗Re(1):俺流とは、普通流;一中日ファンとして tomyk 04/10/4(月) 20:52 ┣Re(2):俺流とは、普通流;一中日ファンとして 流水 04/10/4(月) 22:17 ┃ ┗Re(3):俺流とは、普通流;一中日ファンとして ウミサチヒコ 04/10/4(月) 22:32 ┃ ┗Re(4):俺流とは、普通流;一中日ファンとして 流水 04/10/4(月) 22:38 ┃ ┗Re(5):俺流とは、普通流;一中日ファンとして ウミサチヒコ 04/10/4(月) 22:52 ┃ ┗Re(6):俺流とは、普通流; ナベ講師ね 04/10/7(木) 1:26 ┗東京マスコミの報道姿勢に疑問 棚田稲田 04/10/4(月) 22:37 ┗Re(1):東京マスコミの報道姿勢に疑問 流水 04/10/4(月) 22:49 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 俺流とは、普通流;中日優勝に思う ■名前 : 流水 ■日付 : 04/10/4(月) 10:44 -------------------------------------------------------------------------
中日ドラゴンスが優勝した。 シーズン前、中日の下馬評は決して高くなった。目だった補強もせず、落合監督の評価もあまり芳しいものではなかった。 落合監督を評するマスコミ用語「俺流」とは、要するに「わがまま」とか「自分勝手」と同義語だった。 落合監督に付きまとうこの評価は、日本で自分の生き方を通すことの難しさを物語っている。 彼は、高校野球当時も実業団時代も何度か野球から離れている。今で言う、ドロップオウトか「登校拒否」のようなものである。 当時、日本のスポーツ界では普通だった「運動部の縦体質=封建的体質」にどうしても我慢できなかったのである。 彼の反骨精神、一匹狼的な言動、孤高を保つ姿勢は、この当時の経験に根ざしていると思われる。また、もともと口の重い性格も加わり、「俺流」のイメージがついたのであろう。 しかし、中日の優勝までの過程をきちんと検証してみると、彼が如何に普通の考え方を貫き通しているかがよく分かる。彼の凄さは、「普通の考え方を貫き通す」意志力を持っているところにあると思う。 詳細に検討してみよう。 ★スプリング・キャンプの考え方 【原則】 1、選手一人一人がシーズンを乗り切る体力・技術を磨く場。フアンやマスコミにサービスする場所ではない。 2、一軍・二軍を差別しない。→二軍選手のモチベーションを保つ。一軍選手に危機感を植え付ける。→これを実践したところが凄い。(ブルペンを改修、一度に10人が投げられる→競争意識が生まれる) 3、一芸重視→走・攻・守三拍子揃った選手を求めない。→自分の長所を磨くように求める(※落合監督の凄さは、自分の長所を自分で探す様に選手に求めたところである。→自分を知る、ということを徹底的に求める→それを探し当て、自分からそれを磨き、悩みぬかせ、自分からアドバイスを求めてきたところで、適切な助言を与えることをコーチ陣にも要求している。 コーチ陣に【指導することを我慢することを求めると同時に、選手の一挙手一投足を丁寧に観察することを要求している) 4、キャンプの初日・二日と紅白戦を行い、選手の個性を実戦の中で確認。 5、筋トレ重視の考え方を改め、野球に必要な筋肉は野球でつくり、足りないものを筋トレで補うという普通の発想に改める。 ■試合の考え方 1、野球というゲームの本質→【一点でも相手よりたくさん点を取れば勝ち】ということに徹底している。これを発展させれば、次のような考え方になる。 【ノーアウト満塁のケース】 ★最悪のケース→次打者が三振、ないし内野フライでアウトになり、その次の打者がダブルプレーになり、一点も入らないケース ↓ ★だとするならば、一点を取ったほうが得→次の打者にセカンドないしショートにゴロを転がし、ダブルプレーの間に一点を取れるように求める。 ※こう書くと、いかにも当たり前の考え方だが、これを貫き通すことは難しい。しかし、これを聞いた選手にとっては、力みが抜けて、かえって好結果を生む可能性が高い。 2、「選手は信頼するが、信用しない」落合語録の一つである。 これは、野球というゲームの不確実性を知りぬいた言葉だと思う。どんな優秀な打者でも、10本のうち7本は失敗するのが野球というゲームである。どんなうまい内野手でも、イレギュラーバウンドすれば、きちんと捕球することは難しい。どんなうまい外野手でも太陽にボールが入れば、落球する可能性がある。 そして、どんなにリードしていても、一球のミスで流れが変わり、逆転するのが野球というゲームである。 「選手は信頼するが、信用しない」、とは、野球の怖さを知り尽くした人間でなければ吐けない言葉である。 3、「監督は徹底的なペシミスト」落合語録第二弾である。 野球の不確実性を知り抜けば、監督は「オポチミスト」でいられるわけがない。常に最悪を考えて準備しなければならない。監督は人一倍臆病でなければ務まらない職業である。 これも、よく考えれば、普通の感覚である。 「選手には楽観的に語り、自分は常に最悪の事態を考える」、これは昔から指導者の必要な資質として言われてきたことである。「先憂後楽」とは、まさにそのことを指している。 ここでも、落合監督の発想には何も特別なことはない。 「チーム掌握法・選手起用法」 彼のチームワークについての考え方を象徴する選手起用がある。ここ2年間怪我に泣いて実戦に登板できなかった川崎憲次郎投手を開幕投手に起用したことである。 これには、多くの評論家などから疑問の声が上がった。事実、川崎は2回持たずにノックオウトされた。 ところが、落合監督は「川崎のような立場の投手をみなで支えてやらなければ優勝などできっこない」と考えていた。 野球は集団スポーツである。すべての投手が松坂ではない。というより、松坂でない投手が大半である。これを支えることができるかどうかで、そのチームの成績は決まる。 昨日、今シーズン限りで引退を決意した川崎投手は最後の登板をした。 シーズン最初の試合と最後の試合に、最もつらい思いや悔しい思いをしている投手を登板させるところに、落合監督のチームワークに対する考え方や選手に一人一人に対する愛情がある。 この起用法に、最初に書いた「走る、打つ、守る」の三拍子そろうことを期待しない、という落合監督の言葉の真意がある。 みなそれぞれ欠陥があるが、お互いにそれを補い合って、はじめてチームスポーツの勝利はもたらされる、ということを彼はよく知っている。 何の監督でもよい、チームスポーツの監督をしてみれば、上記のことは常識であることは誰にでも分かる。わたしも長年、バレー部の顧問をしていたので、彼の考え方は身にしみてよく分かる。 部活動指導で一番苦労するのが、試合に出れない補欠選手をどのように指導するかである。これを間違えれば、部内はばらばらになり、結果子供たちには辛い記憶や厭な思い出しか残らず、その競技(スポーツ)すら嫌いになる。よい指導者と悪い指導者を分かつところは、この弱者(補欠選手)に対する思いやりと配慮をどれくらい持っているかで決定される。 ここでも、彼の思考は、きわめて常識的である。 また、彼は、マスコミに対して、選手批判を一言も口にせず、選手の良さとか、可能性しか語らなかった。ペナントレースの天王山の巨人戦、満塁のチャンスに右投手に対して右打者のピンチヒッターを使ってあっといわせたことがある。そして、押し出しのフォワーボールを取り、巨人の息の根を止めた。 このとき落合監督は、「高橋はうちで一番選球眼がよい」と押し出しを視野に入れた選手起用だったことを語っている。これを聞いた選手はどう思うか。 ベテラン選手なら、「俺を馬鹿にしている」と怒るかもしれないが、高橋のような若い選手は「監督は俺のことをよく知ってくれている」と感激するに違いない。 落合監督が、マスコミでいう「俺流」のわがままで自分勝手な性格なら、こんなコメントは出ない。彼は、世間で言われているのと反対に、選手の感情のひだまで知り尽くしているからこそ、あのようなコメントが出る。 落合監督のように、きわめて常識的で普通の考え方の持ち主を、「俺流」と称してわがままとか自分勝手と見る、これまでの日本のスポーツマスコミや野球マスコミのあり方こそ問われるべきであろう。 オリンピックでの日本野球の敗北と、落合中日の優勝を比較して考えれば、おのずから答えは明らかであろう。 同時に、「地味」で「常識的」で「普通」の考え方を馬鹿にして、派手で、華やかで、新しさを追い求めることの浅薄さを、落合監督率いる中日の優勝は指摘している、と思う。 |
>流水様 非常に冷静な「オレ流」分析、興味深く読ませていただきました。 中日ファンの間でも、「時期監督に落合」と聞いた時はかなりの衝撃が走り、キャンプが開始されると、更なる驚きが沸きました。 最初は「落合で勤まるのか?」という気持ちが沸いたもんです。 しかし、自分的に「補強はしない」「選手の実力10%を底上げする」という発言は、スター選手の活躍よりも、隠れた逸材が世に出るという楽しみを増やしていただきました。 その結果がレギュラーは元より、今まで無名だった選手が次々とヒーローインタビューに登ったという、嬉しい結果でありました。 「オレ流」野球は、史上最強打線を擁した派手さは無くとも、選手自身が勝つ姿勢に拘った好結果に結びつきました。 逆に言えばレギュラーであろうと、結果が出せないのなら二軍へ直ぐ降格されるという屈辱もあります。 しかし、野球選手は面白い野球を、ファンに見せてなんぼの世界です。 そして、それが当たり前だと言う事を再認識させてくれました。 ファームでも中日はウェスタン優勝を果たし、日本ハムとファーム日本一(?)をかけて、試合があります。 そこには前回1999年優勝に貢献した選手もいます。 それだけ競争が激しかったという証左でありましょう。 後は半世紀ぶりの日本一を・・・! |
▼tomykさん: >しかし、自分的に「補強はしない」「選手の実力10%を底上げする」という発言は、スター選手の活躍よりも、隠れた逸材が世に出るという楽しみを増やしていただきました。 >その結果がレギュラーは元より、今まで無名だった選手が次々とヒーローインタビューに登ったという、嬉しい結果でありました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 結局、わたしたちはマスコミに踊らされて判断を間違えているのです。 彼が野球評論家時代打撃理論について語ったことがあります。 簡単にいえば、独楽が回っている状態(きれいに回っているときには、回っていないように見える)を如何に作るかということでした。 具体的にいうと、まず打席に立つ姿勢(まっすぐ立つ)、次にボールを見る姿勢、打つときは体の軸を中心にしてくるっと回る(このとき軸がぶれていたら、スイングがぶれる)というきわめて分かりやすい理論でした。 わたしはこのとき落合という人間を非常に高く評価しました。 野球理論を難しく語る人はいくらでもいますが、これほど簡明に語る人はあまりいません。 彼は、物事の本質を見る目を持っていると思いました。これは、色眼鏡や偏見で、ものを見る人間には、決してできないことです。 わたしは、落合選手が監督になると聞いたとき、多分成功すると思いました。(願望も含めて) 理由は、彼が色眼鏡や偏見を捨てて選手を見る目があるという資質があると考えていたからです。 こういう資質の人は、日本ではなかなか場が与えられないのです。それが場を与えられたわけですから、ぜひ成功してほしいと考えていたので、大変喜んでいます。 |
▼流水さん: それほど深くは考えていませんでしたが、三冠王三度のスーパースターが星野なきあと、どこまでやれるか、朝青龍・イチローと並び落合を注目していました。要は「強いやつ」が好き、ということだけですけれど…、ナサケナイ。 名選手・名監督かもしれませんね。野球界では一番のファンでした。私が老人党きっての落合ファンを自認してること、流水さんに知ってほしくて書きました。 |
▼ウミサチヒコさん: ●名選手・名監督かもしれませんね。野球界では一番のファンでした。私が老人党きっての落合ファンを自認してること、流水さんに知ってほしくて書きました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ わたしの悪い癖で、自分なりの理論を組み立てないと気がすまないのです。 わたしは、落合監督は、名監督になる資質は十分だと思いますよ。問題は、フロントとの確執だけでしょうね。 |
▼流水さん: >わたしの悪い癖で、自分なりの理論を組み立てないと気がすまないのです。 いいえ、いつもホレボレと読ませてもらってます。最近磨きがかかってきて、なんかノストラダムスみたいになってきましたよ。 |
長島監督や、中西太コーチのように、天才バッターが監督やコーチにいると、そのチームの打撃力は伸びるので、貧打中日も二、三年後には優勝だと思っていました。ただ、その時は、落合監督ではなくなっていて、次の監督はラッキーだなあと思っていました。これほどの手腕があるとは、ただ、ただ、感服しています。広島の監督になって欲しかった。 |
去年の今頃。中日ファンの私は、正直に申しますと、落合監督ありだな、いいなあ。 と思っていたらホントにそうなって、一瞬喜びました。 が、なんかマスコミに愛想悪いせいか、伝わってくるハナシは落合、イマイチ。 どうだか?何やってんだ!?って感じで気分がどんどん盛り下がっての開幕戦。 先発「川崎」に度肝抜かれて、気づいてみれば、勝てば官軍。 開幕川崎先発すらも最終戦引退まで視野に入っていたのではないかと 思えてしまうほどの「落合マジック」。 だ・け・ど、 中日ドラゴンズ優勝は、全国放送では実に過小報道だった。 たとえイチローの新記録達成と重なっても、巨人優勝だったら、 全国版放送で大騒ぎしていたことはまちがいない。 中日優勝は、かろうじて重ならなかったのに、それでも、野球はずっと「イチロー」。 ま、鈴木一朗くんはドラゴンズに憧れて野球をしていたとか。 地元の誇りとして気持ちをやり過ごしているドラゴンズファン「かたぎ」があることすら、 よそには、伝わっちゃいないんでしょうね。 こぞって「巨人」を育ててきたくせに、 風向き次第で巨人批判を展開する。「東京マスコミ」の報道姿勢には辟易だ。 今のプロ野球のゆがみを共に作ってきたのに、批判する資格があるのだろうか。 「せめて批判はして欲しい」とは思うんですけれども… この一年間、勝っても勝っても報道されない名古屋中日ドラゴンズ。 優勝しても「えっ?」という扱いしかされない地方球団を、 いまは、作れ作れとあおっていますけど、 ブームが去れば、冷たいことは間違いありませんよ。 仙台はじめ全国の皆さん気を付けて下さいね。 東京多数決主義には… |
▼棚田稲田さん: ●たとえイチローの新記録達成と重なっても、巨人優勝だったら、 >全国版放送で大騒ぎしていたことはまちがいない。 >中日優勝は、かろうじて重ならなかったのに、それでも、野球はずっと「イチロー」。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今のマスコミには、本当のスポーツ評論が足りないと思います。勉強不足もはなはだしいと思いますよ。 たしか、サンデープロジエクトだったと思いますが、ストについての討論会で、プロ野球機構の代表者が、評論家二宮氏の質問だけには答えない、という場面がありました。 結局、二宮氏のような歯に絹着せない批判に耐えられないのでしょう。 せめて彼くらいの評論を書いて欲しいものです。 ●この一年間、勝っても勝っても報道されない名古屋中日ドラゴンズ。 >優勝しても「えっ?」という扱いしかされない地方球団を、 >いまは、作れ作れとあおっていますけど、 >ブームが去れば、冷たいことは間違いありませんよ。 >仙台はじめ全国の皆さん気を付けて下さいね。 >東京多数決主義には… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そんなことを言わずに、名古屋の人にはがんばっほしいものです。結局、日本を変えるのは、地方以外にありません。 中日の優勝は、その胎動のはじまりだと思います。 |