Page 2665 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼雪エネルギー利用システムの開発 北の老兵 05/4/11(月) 19:06 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 雪エネルギー利用システムの開発 ■名前 : 北の老兵 ■日付 : 05/4/11(月) 19:06 -------------------------------------------------------------------------
北海道の豪雪地帯では雪は厄介ものです。特別豪雪地帯と呼ばれる地域は、一冬の累計降雪量が10mを超えるところは珍しくなく、積雪深も2m程度は普通です。 雪はスキーや雪祭りなど雪国ならではの楽しみをもたらしてくれる半面、主要道の除排雪が行なわれない事態に陥ると、地域はたちまち陸の孤島と化し、生死に関わる事もあるのです。一方、雪国においても夏季には30℃を超える日もあり冷房設備も普及しております。 今北海道ではこの”厄介もの”の雪を逆手にとって、雪冷熱を利用しようとする試みが盛んに行なわれております。沼田町では米の貯蔵に雪冷熱を利用している事例もあります。 スノークール ライスファクトリーという、平成8年に完成した世界で初めて、雪で米(籾貯蔵)を貯蔵した施設です。沼田町で生産される20万俵の米のうち4万俵の米を1,500トンの雪を使って温度5℃、湿度70%で保存しています。このお陰で米の味も、翌年の夏まで新米と変わらないと言います。 また図書館などにも利用しており、温度と湿度が本の保管には最適なのだそうです。コストも電気の半分で済み、クリーンで安く、厄介ものの雪の利用で”一石二鳥”どころか”一石三鳥”といわれています。 システムを簡単に説明すると (1)雪の貯蔵方法 運搬排雪によって発生した雪を路盤が整備された築堤内に貯めます。最終の運搬排雪が終了した時点で、バーク材(木の皮)を雪の上に被覆し、外気から断熱する方法です。バーク材は数年使用後、バイオマス燃料として再利用されます。 (2)冷熱の回収方法 貯蔵された雪からの冷熱(潜熱)の回収は、雪解け水を雪山の下部に浸水させ、強制的に雪を解かし、水温を下げます。 (3)供給方法 水温が下がった雪解け水は、ろ過された後、循環ポンプにより冷熱利用施設へ供給されます。 (4)排水 冷熱利用後、温度上昇した雪解け水は、再び雪山へ戻るものと、下水または河川へオーバーフローされるものに別れます。 |