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 ▼日本政府にできること  流水 04/4/9(金) 22:23

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 ■題名 : 日本政府にできること
 ■名前 : 流水
 ■日付 : 04/4/9(金) 22:23
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   イラク人質事件で日本政府の判断は、【自衛隊撤退は決してしない】という以外にないと思う。
理由は明快で、スペイン列車爆破事件以来の米同盟国のスタンスは、【米国との同盟関係は大切にするが、米国とは距離をおく】方向にじょじょに転換している。
しかも、現在のイラクの情勢は、米国の占領政策の失敗がはっきりしてきており、ブッシュ大統領にとっては今が正念場になってきている。

ここで、日本が撤退を表明すれば、米国のイラク政策は破綻することが明白である。その意味で、日本政府の選択肢は【撤退しない】以外にない。
そこで、これからの日本政府の選択肢を考えてみた。

日本政府独自で、できることはほとんどないが、以下のことはできると思う。
1、英米軍などに情報提供を頼むこと ・犯人グループの特定・場所の特定など
2、アルジャジーラTVなどに出て、犯人グループに呼びかけるなどの広報活動をすること
3、もし、犯人グループと接触できたら、釈放条件などの交渉をすること

しかし、南米などの誘拐事件と違って、犯人グループの要求が政治的条件であるため、たとえ交渉できたとしても、着地点をみつけることが難しい。
誘拐事件解決の常套手段は、釈放条件の交渉をできるだけ引き伸ばし、その間の被害者の命を守り、解放を勝ち取るか、救出作戦を行うというやり方であるが、今回その手法が通じるかどうかはきわめて疑わしい。

また、米軍ないしCIAが犯人像を割り出し、場所を特定したとしても、特殊部隊を動員して救出作戦を実行するかどうか、疑わしい。
なぜなら、もし救出作戦が失敗し、3人が死体で発見されたら、日本の世論がどう動くか、予測が難しいからである。
恐らく、犯人グループを特定し、場所を特定できたとしても、米国は日本政府と密接に連絡をとり、最終判断は日本政府にゆだねるはずである。
この場合、日本政府は犯人と交渉し、何らかの条件で3人の釈放を勝ち取る道を選択するはずである。強攻策が裏目に出た場合の世論の動きが恐ろしいから、99%その選択をすると思う。
どう転んでも、小泉政権にとって清水の舞台を飛び降りる選択になることは間違いない。

自衛隊は決して撤退しないという前提で、今後の展開をジュミレーションすると、大きくわけて以下の場合が考えられる。

1、時間切れになり、3人が死体で発見される。→政府にとっては最悪ではない。→テロに対する憎しみをあおり、報復の世論を誘導する。
2、時間切れになり、一人ずつ【死体】で発見される。→政府にとって最悪の事態→この事態に国内世論が耐えられるかというときわめて疑問
3、犯人グループとの交渉が長引き、解決が遅れる→これは最悪の選択ではない。政府が努力していることを国民にアピールでき、たとえ死体で発見されたしても、衝撃に対する準備ができる
4、犯人グループとの交渉成功→人質解放 ※最高の選択
5、犯人グループとの交渉決裂→特殊部隊突入 ◆人質死亡→最悪の選択に近い→国内世論の批判が拡大 ◆人質解放→次善の選択。結果オーライ
6、犯人グループが3人を釈放→国内世論は賛否両論になり、大きな問題にはならない。

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