Page 396 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼年金未払い問題から見えるこの国の風景 流水 04/4/30(金) 10:22 ┗Re(1):年金未払い問題から見えるこの国の風景 モンキー 04/4/30(金) 11:02 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 年金未払い問題から見えるこの国の風景 ■名前 : 流水 ■日付 : 04/4/30(金) 10:22 -------------------------------------------------------------------------
国民年金未払い問題は、与野党相打ちの構図で幕引きをしようという意図が見え見えである。 昨日の小泉首相の談話など、政治家の倫理観・責任観など、かけらも感じられない。 わたしたちも、ただ単に政治家の責任論を云々するだけでは、上記の【政争】に加担するだけで、いつものように結局【祭りの後の虚しさ】をかみ締めるだけの結果に終わる。 そのためには、今回の問題点を整理して、きちんと考える必要がある。 【問題の本質】 1、今回の年金改正が、国民のためになるかどうか。 2、現在の年金危機の主原因はどこにあるか 3、年金不払い者が37%を越える現状をどのように改善するか 4、厚生年金負担を増大させれば、企業負担も増える。そうなれば、この厳しい経済状況下、企業も自己防衛に走らざるを得ない。そうなると、雇用形態がますます労働者に不利になる。これを防ぐためのシステム構築ができているか など、将来の国民生活を直撃するものである。ここを議論しなければ、後で泣くのは国民である。 【年金未払い問題】 1、第一義的に責任があるのは、今回の改革で【負担増・受給減】を国民に提案した小泉首相と閣僚、与党自民党と公明党である。※ここを間違えてはいけない 2、民主党の責任は、国会議員という意味での【責任】である。 【責任問題】 1、説明責任 2、結果責任 3、法的責任 4、道義的責任 5、政治的責任などがあり、どれをどう取るかを明確にして論じなければ、味噌も糞も一緒にした議論になる。 菅党首でいえば、1、説明責任は当然あるし、国民にとって最大関心事である年金問題の論議をうやむやにしてしまった結果責任・政治責任はある。3の法的責任は、あまり問えないようであるが、4の国会議員としての道義的責任はある。 【政治的問題】 ●年金改正法を強引に採決しようとしたのは、自民党が公明党に配慮したためおきた問題である。政治日程から逆算して法案通過を設定する与党の強引な国会運営が混乱を招いたことは明らかである。 この与党の強引さは、国民の【政治不信】にあることをわたしたちは、もっともっと知らなければならない。 古くは岸信介の【声なき声】発言にあるように、政治の世界では【投票に具現化しない声】は、すべて権力側の支持になってしまう。 だから、棄権こそ体制側を利する最大の要因である。 マスコミでは、【政治不信】が増大したなどと騒ぐが、これこそ体制側にとって【最大の応援団】であることを、忘れてはならない。 ●政争的視点で考えれば、今回菅直人党首を辞任に追い込むことを与党も望んでいない。彼が辞任すれば、与党も返り血を浴びざるを得ない。(4人の閣僚辞任)こうなれば、小泉首相の責任論も浮上せざるを得ない。だから、ここは菅直人に貸しをつくり、痛み分けに持ち込むことが、与党にとってベストの選択である。 昨日の小泉首相の発言は、ここに真意がある。 ◆「民主党」→もし、乾坤一擲の大勝負を挑むなら、菅党首の戦略的退陣を進言すべきであろう。わたしは、倫理的道義的責任論の大合唱には反対であるが、政治的戦略的見地からの【退陣】には、賛成である。 上にも書いたが、菅党首が辞任することにより、小泉内閣の4閣僚の退陣世論を盛り上げ、小泉首相の責任論を浮上させる【反転攻勢】の戦略をとることにより、形勢逆転の目を出すのなら、辞任すべきであろう。 【国民の課題】 政治家・官僚など支配層に過剰な倫理観を期待するのは、止めたほうが良い。 人間は、自分の利益のためなら、「必ずずるをする」という乾いた認識を持ち、「ずるができない仕組み」をどのように構築するか、の視点で、主張すべきだと思う。 【修身・斉家・治国・平天下】を一元的に考えるのは、儒教的政治観である。これを逆手に取られ、平天下した人間(エリート層)は、修身ができている(悪いことはしない人間)という幻想を振りまくのが、日本の支配層の常套手段である。 これの典型が【官の無謬説】である。 逆に、革新と呼ばれる側は、今度は自分の清潔さを売りものにする。どちらも、儒教的政治観に軸足を置いているからそうなる。 だから、今回のような問題がおきると、厳しく追及されるのは、野党側であるという結果を招く。 そして、与党を鋭く追い詰める人材を失っていき、損をするのは国民ということになる。 そうではなくて、【修身・斉家】と【治国・平天下】は一元的につながってはいない。政治家などの評価は、【治国・平天下】での政策で行うべきであり、もっといえば、支配層に対しては【権力は絶対的に腐敗する】という認識で、それを防ぐシステム構築で制御することを考えたほうがよい。 あまり政治を倫理で論じすぎると、結果として大きな政治不信を招き、それは支配層を利するだけの結果になることを国民はもっと考えるべきである。 |
▼流水さん: <上記略> >◆「民主党」→もし、乾坤一擲の大勝負を挑むなら、菅党首の戦略的退陣を進言すべきであろう。わたしは、倫理的道義的責任論の大合唱には反対であるが、政治的戦略的見地からの【退陣】には、賛成である。 >上にも書いたが、菅党首が辞任することにより、小泉内閣の4閣僚の退陣世論を盛り上げ、小泉首相の責任論を浮上させる【反転攻勢】の戦略をとることにより、形勢逆転の目を出すのなら、辞任すべきであろう。 <以下略> まったく同感です。 民主党は小泉のうやむやに済まそうとする策略にのってはいけません。 菅党首はみずからの脇の甘さを露呈してしまいました。「未納三兄弟」などと言うからには当然自分の状況は正確に把握していると考えるのが当然です。あきれてしまいました。 このまま党首に居座っても自民党・公明党を利するだけです。 将来、民主党が政権を取って首相になっても、この問題が禍根になって国民的求心力は得られないと思います。菅党首は残念ながら昔日の輝きを失っています。 退陣して、7閣僚の任命権者としての小泉首相の責任を徹底追及すべきです。 同時に国民年金のシステム上の欠陥を指摘するならば現主管大臣である坂口厚労大臣の責任を追求べきです。 日本の将来のため、日本国民のため英断すべきです。時間的猶予はありません。 連休明けにも決断してください。 |