Page 1432 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼これからが問題だ──郵政民営化 pierre 06/2/1(水) 17:36 ─────────────────────────────────────── ■題名 : これからが問題だ──郵政民営化 ■名前 : pierre ■日付 : 06/2/1(水) 17:36 -------------------------------------------------------------------------
先日の日本郵政初代社長になった西川善文氏が記者に語った発言は、曖昧なままで来てしまった「郵政民営化」の本当の問題のごく一部が露呈したもので、いよいよ真の問題が表面化するのはこれからだ、ということを強く印象づけた。 西川氏の考えを要約すれば (1) 規模の縮小などとんでもない (2) 職員を大量に整理することはできない (3) だから新しいビジネスモデルを投入する そして (4)民営化委員会のチェックは新会社の経営が成り立つことが大前提だ ということになるだろう。これは普通の民間企業のトップとしては、いわば当然の発想と言うべきだろう。 しかし、それが新しく生まれる民営化会社・日本郵政傘下の郵貯銀行、簡保会社では、話が違うのである。そもそも郵貯・簡保は市場経済を標榜する日本の経済社会にとっては必要のない国立金融機関であり、徹底した規模縮小か廃止を考えるべき存在であった。にもかかわらず、普通の民間企業と同様の論理で、規模の維持・拡大を図ろうとすれば、その矛盾は一層拡大するのである。しかし、小泉首相の「郵政民営化」は、そういう根本問題を一切問わなかったから、民営化で生まれるこの巨大企業は、今まであった数々の桎梏から解かれて自由に羽ばたくのである。かってこういう記事が新聞に載っていた。 「自民党政調会長の与謝野馨(67)は親しい政治家にこう漏らした。『大変な巨大企業をつくってしまったかもしれないな』」(『日本経済新聞』2005.10.20.朝刊)。 豪腕をもって鳴る西川氏をトップに迎えて、日本郵政会社はその周囲に群がる企業や人とともに新しい利益集団を形成し、自らの利益を守るために、動き出すに違いない。小泉自民党は総選挙の圧勝に酔っているが、その影でとんでもない“鬼っ子”を生み出した咎を負わなければならないことになるだろう。 |