Page 1436 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼護憲九条で日本を守る。12 退役軍人 06/1/25(水) 22:28 ┣武力の放棄が可能なのか。 退役軍人 06/1/25(水) 22:32 ┃ ┗外交の延長線上にある軍備 退役軍人 06/1/25(水) 22:38 ┃ ┗闘えない軍隊であるのは何故か。 退役軍人 06/1/25(水) 22:43 ┃ ┗実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 退役軍人 06/1/25(水) 22:49 ┃ ┣Re(1):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 ぎみゆら 06/1/26(木) 21:03 ┃ ┃ ┣Re(2):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 ステディ ベア 06/1/27(金) 15:21 ┃ ┃ ┃ ┗折角、反論を書いてたのに....... 退役軍人 06/1/27(金) 20:13 ┃ ┃ ┃ ┗Re(1):折角、反論を書いてたのに....... ステディ ベア 06/1/28(土) 1:03 ┃ ┃ ┗論理を憎んで、論敵を憎まず。 退役軍人 06/1/28(土) 1:36 ┃ ┃ ┗公開性の保証と、安全の保証。 退役軍人 06/1/28(土) 1:39 ┃ ┃ ┗従軍記者協定 その 1 退役軍人 06/1/28(土) 1:45 ┃ ┃ ┗従軍記者協定 その 2 退役軍人 06/1/28(土) 1:49 ┃ ┃ ┗退役軍人の最後っ屁??(笑 退役軍人 06/1/28(土) 1:57 ┃ ┣Re(1):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 21:49 ┃ ┣Re(2):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 21:52 ┃ ┣Re(3):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 21:54 ┃ ┣Re(4):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 21:57 ┃ ┣Re(5):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 22:00 ┃ ┣Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 高橋 06/1/31(火) 22:02 ┃ ┃ ┗Re(1):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 昭和 人 06/2/1(水) 15:46 ┃ ┃ ┗Re(2):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 あぶさん 06/2/1(水) 18:35 ┃ ┃ ┗Re(3):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 あぶさん 06/2/1(水) 18:41 ┃ ┃ ┣Re(4):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 昭和 人 06/2/1(水) 21:32 ┃ ┃ ┃ ┗Re(5):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 あぶさん 06/2/2(木) 12:48 ┃ ┃ ┣Re(4):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 風の旅人 06/2/1(水) 21:46 ┃ ┃ ┃ ┗Re(5):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 憲法9条改正 06/2/2(木) 1:46 ┃ ┃ ┗Re(4):Re(6):実力は十分、憲法九条でそがれた能力はなにか。 若輩老人 06/2/1(水) 21:47 ┃ ┃ ┗Re(5):Re(6):憲法9条が日本を護った 加茂井77 06/2/1(水) 23:03 ┃ ┃ ┗Re(6):Re(6):憲法9条が日本を護った あぶさん 06/2/2(木) 12:51 ┃ ┗終りに 高橋 06/1/31(火) 22:05 ┃ ┣Re(1):終りに しまったk2 06/1/31(火) 22:24 ┃ ┣Re(1):終りに 笹井明子 06/1/31(火) 22:43 ┃ ┣少し時間を下さい。 退役軍人 06/1/31(火) 23:35 ┃ ┣Re(1):終りに ステディ ベア 06/1/31(火) 23:44 ┃ ┣Re(1):終りに あぶさん 06/2/1(水) 1:17 ┃ ┣Re(1):終りに ぎみゆら 06/2/1(水) 15:43 ┃ ┗反論の前提として 退役軍人 06/2/2(木) 3:10 ┃ ┣Re(1):反論の前提として ウミサチヒコ 06/2/2(木) 6:48 ┃ ┗Re(1):反論の前提として チャトラ 06/2/2(木) 11:14 ┗司法判断から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/25(水) 22:54 ┗Re(1):司法判断から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/25(水) 23:03 ┗Re(2):司法判断から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/26(木) 12:03 ┗Re(3):司法判断から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/27(金) 0:00 ┗Re(4):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/27(金) 11:59 ┣Re(5):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 あぶさん 06/1/27(金) 12:11 ┃ ┗Re(6):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 あぶさん 06/1/27(金) 12:12 ┣Re(5):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 J.J.Mack 06/1/27(金) 13:03 ┃ ┗Re(6):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/27(金) 21:46 ┃ ┗Re(7):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 DonDon 06/1/28(土) 0:59 ┃ ┗Re(8):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/28(土) 22:31 ┣道具の属性と使い方 退役軍人 06/1/27(金) 20:05 ┃ ┗Re(1):解らない。 昭和 人 06/1/27(金) 20:55 ┃ ┣Re(2):解らない。 風の旅人 06/1/28(土) 2:50 ┃ ┗Re(2):解らない。 風の旅人 06/1/28(土) 13:47 ┗Re(5):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/28(土) 2:36 ┗Re(6):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/28(土) 21:01 ┣Re(7):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 tomyk 06/1/28(土) 22:51 ┃ ┗Re(8):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 昭和 人 06/1/29(日) 9:03 ┗Re(7):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/30(月) 0:56 ┗Re(8):自衛国防から見た自衛隊の「違憲性」 風の旅人 06/1/30(月) 0:57 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 護憲九条で日本を守る。12 ■名前 : 退役軍人 ■日付 : 06/1/25(水) 22:28 -------------------------------------------------------------------------
皆様、僣越ですが継続スレッドを立てさせて頂きます。 レスの応酬で、ぎみゆらさんへのレスが途中で切れてしまいますから。 こちらへご参集下さい。 ひとつよしなに。 |
ぎみゆらさん、こんにちは。 さて、いよいよ本題です。 >●「未来の自衛隊」イメージの展望 >他の三つのお尋ねは、一つの同じ問題意識から発しています。 >「九条二項と自衛隊」の問題を考えると、論理的には次のような >選択肢がありうると思います。 > ◇ 九条二項と自衛隊は「矛盾しない」と考える > → ア)現状維持 > ◇ 九条二項と自衛隊は「矛盾である」と考える > → イ)自衛隊をなくす ウ)自衛隊を変える > → エ)九条二項をなくす オ)九条二項を変える >このうちエとオは、九条二項「改廃」「改変」「改訂」論として >括っても、大きな不都合はなさそうです。要は「九条二項に何らか >手を加える」という方法論です。たとえば、先の自民党新憲法案は >この点について、現行九条二項を削除し「九条の二1〜3」を新設 >するという形をとっています。 おっしゃる通りです。 >またイの「自衛隊をなくす」については、隊員25万の集団をただちに >なくすという主張は稀でしょうから、中長期的になくすという「段階 >論」になるか、なくすことを展望し、そのためにこれこれの条件を >整えるという「条件論」か、あるいはその両方かになるはずです。 ここがおかしいのです。 段階論であろうが、条件論であろうが、その両方であろうが、実現不可能な方法論を語ることに、胡散臭さを感じてしまうのです。 現在我が国が持つ軍事力を放棄するということは、国防を放棄するのと同義語です。 現在、それが可能な状況なのですか。?? 将来、それが可能な状況が生まれますか。?? どちらもありえないと指摘しておきます。 軍事力の保有は、国家の安全という観点で最後の砦となる確証なのです。 これは、外交の本質とも関わりがありますが、平和外交などという言葉は絵に描いた餅に過ぎず、なんら実効性も影響力も成果ももたらさない単なる観念的定義に過ぎません。 確信を持とうが持ちまいが、確証とは言えない観念に自国の安全を託すなんぞ正気の沙汰ではありません。 続きます。 |
続きです。 何度も申し述べているように、外交の本質は【内政干渉】そのものです。 その外交の延長線上に本来あるべき軍事力の行使をしないと憲法で明確に否定しているわけですから、まともな交渉になる訳がない。 外務省の交渉が、使える選択肢として経済的圧力のみに限定されている故の、不利が大きいと思いますよ。 しかしながら、憲法九条一項で否定しているのだから他に道はありません。 それに、自国の防衛という点でも憲法九条二項の規定による拘束があるわけですから自衛権を放棄したのと同義です。 例えば、我が国と中国の間で武力紛争の原因となりそうなもっとも危険な火種は東シナ海の天然ガス資源の争奪戦です。 前述したように、中国はエネルギー飢餓状態になりつつあります。 この天然ガス資源は、絶対に日本に渡せないと考えているでしょう。 日本も長期的エネルギー戦略から、絶対に渡せない資源なのです。 この国益の矛盾に、双方が勝者となれる外交的というか、交渉による解決はありえません。 交渉によるのであれば、どちらかがあるいは双方が不満を抱えたまま妥協するしか道はないのです。 それが可能な状況かと考えれば、もっとも解りやすいと思います。 中国のエネルギー危機はここ十年以内に必ずおきます。 中国人民解放軍海軍が、遠洋における作戦能力の獲得に必死に取り組んでいる状況と無縁ではないということです。 尖閣諸島を南沙群島方式での実効支配獲得と同じ方法で実効支配を試みましたが、海上自衛隊艦艇に後方支援を受けた海上保安庁艦艇に阻止されました。 現在は、重点的な警戒海域で厳重な監視が行われていますから、上陸を試みることすら難しいでしょう。 こういった状況に業を煮やした中国が軍事力を行使して上陸占拠し中国領であると宣言し、沖縄トラフ以西のガス田資源の独占を試みたとしてもなんら不思議ではない。 何故かというと、過去における中国の武力行使は全て国境の確定か資源をめぐる紛争に端を発するからです。 中ソ紛争しかり、中越戦争しかり、中印紛争しかり、大戦後にこれだけの回数に渡って、国境確定問題等で武力行使をした国家は、他にありません。 ちなみに大戦後の武力行使の回数を示すと。 建国後、1991年までに13回も武力行使におよび、1991年以降も2回武力行使をしています。 今までは、全て陸続きの国境地域での紛争でした。 しかしながら、中国が国防だけが目的であれば本来不要であるはずの遠洋における作戦能力の獲得を進めている現状を考えれば、その目的は明白でしょう。 しかも国連という調停の場ですら、国連安保理の意思決定に死活的権利である拒否権を中国が保有しているという現実もあります。 こういった現実を直視すれば、国益即ち国民の利益の保護に必須の条件となる国防に最終的な確証となる軍事力が必要不可欠であるのは自明の理です。 続きます。 |
続きです。 >これとはまた異なり、ウの「自衛隊を変える」という選択肢が何らか >ありえないか。憲法九条の「非戦非軍備」という人類史的にも優れた >理念と条文を、一項二項ともに大切にしながら、それにふさわしい >国土国民の自衛組織を構想するというイメージはないものだろうか。 >そんなことを、もう少し考えてみたいという気持ちがあるのです。 残念ながら、机上の空論と指摘させて頂きます。 違憲状態の軍備を、憲法の解釈論で合憲とする、いわば便法に過ぎません。 それが可能であるのなら、コスタリカだけでなく多くの国々で既に実現してますよ。 >「闘えない軍隊」であることを欠点と考え「普通の軍隊」を目指す >よりも、むしろ、「闘わない武隊」であることを、日本の自衛隊の >もつ独自の特色、アピールポイントと前向きにとらえるところから >「未来の自衛隊」を構想することはできないものか。 出来ませんと断言しておきます。 >そんなことを考えていたところ、少し前に購入してそのまま転がして >おいたこんな本が目に止まり、この機会に読んでみました。 > 半田滋『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』(講談社α新書) >著者の半田さんは十年以上自衛隊取材を続けている東京新聞社会部の >記者ですが、この本は、PKOなど海外活動現場やイラク派遣の前後 >などについても、自衛隊の「現役」「現場」を丁寧に取材していて、 >たいへん興味深いものでした。 >その巻末で、半田さんが下記のようなことを書いているのですが、 >それが、私の上のイメージとある程度重なるように思いますので、 >ちょっと長くなりますが引用します。 >「憲法改正して『普通の国』となり、軍隊になることにあこがれる >人は自衛隊の中にもいるだろう。だが、日本が海外で武力行使をし >ない特殊な国として戦後六十年間過ごした実績を捨て去るのは愚か >しいことだと思う。 >『国防』の看板を掲げつつ、国内外の災害派遣に活躍し、海外では >PKOや復興支援に汗を流す。海外での活動は自己完結を標榜する必 >要はない。官民から専門家を募り、自衛隊と組み合わせて『日本支 >援隊』とする。官民の希望者を事前登録制にしておけば、迅速な派 >遣に役立つだろう。自衛隊は国家組織としては最大の公共財である。 >私は国民の一人として、この公共財をどう活用するかという立場に >立てば、『遅れてきた軍隊』となり、世界の軍隊の最後尾に並ぶよ >り、『進化した自衛隊』を目指したい。」(上掲書199ページ) 残念ながら、取材者は所詮アウトサイダーに過ぎません。 それに、取材者としての政治的背景からくる認識の偏り、事象の見方と評価が必ずしも実態を正確に捉えているとは言えないと思います。 続きます。 |
続きです。 遅れてきた軍隊でもなんでもない、実態は第四世代の近代軍に脱皮を目指す、もっとも進んだ軍備であるし世界でも例を見ない高い練度を誇る精強の軍隊です。 海上自衛隊と米海軍の演習で、一度も負けたことがないという護衛艦隊の存在をご存じですか。 米空母カールビンソンにピンガーをぶつけて、まんまと逃げ果せた海自潜水艦もいる。 米海軍が、演習の相手として海上自衛隊を選ぶのは、他のどの国の海軍よりもやっかいな相手であるからです。 それと同時に合同作戦訓練においても操艦技量が高く、指揮統制という実務面でほぼ同じ水準にあるからでもあります。 イージスシステムを海上自衛隊に供与したのは、使いこなせる練度をもった軍隊であると認めたということです。 富士演習場で行われる総合火力演習における、実弾射撃の精度は一般的な水準をはるかに凌駕しています。 米海兵隊の野砲部隊が、自衛隊との合同演習を望む理由でもあります。これは、陸上自衛隊が持つ着弾観測と照準評定能力が他のどの軍隊よりもずば抜けて高い水準を維持しているからでもあります。 航空自衛隊の航空機稼働率は、本家本元の米空軍の水準を超えています。 なぜそこまで進化したのか、それは我々の国を取り巻く環境がその能力を必要としたからです。 そういう能力を維持しているということを、透明性の確保という方法で知らしめてきたからこそ60年間紛争に巻き込まれずに平和な状態を維持できたと考えています。 憲法九条の理念など、何の貢献もしていないと明言しておきます。 残念ながら、理念は力になりません。 力と力の均衡が紛争を抑止しているというのが、唯一の現実です。 軍隊として不備なのは、隊員の法的保護の欠如と軍事裁判所が存在しないことだけです。 憲法を改正し、関連法制を整備する。 これだけで、当分の間日本に手を出せる国は存在しなくなります。 >いまはまだ、これ以上の具体的なイメージをもっているわけでは >なく、これからもっと考えてみたいと思っています。 失礼ですが、具体的イメージは持てないでしょうね。 率直に言わせて頂いて、ありもしない選択肢であるからです。 >ただ、護憲の立場からも、改憲の立場からも、いまこれだけ憲法 >論議が出てきているなかで、「私たちが選び取るべき、日本と >自衛隊の未来を、この機会に、できるだけ具体的に考えてみる」 >ということが、とても大切なポイントであるように思います。 これには、同意いたします。 しかしながら、護憲への固執という結論先にありきの姿勢を捨てられない限り、なんら有効な考察は出来ないであろうと指摘させていただきます。 >長くなりました。 >ここまでお読みいただき、どうもありがとうございます。 率直な物言いを心がけましたので、かなり厳しい論調になっているかと思います。 無礼な物言いをお詫びしておきます。 失礼いたしました。 |
退役軍人さん、こんにちは。 長文のご投稿、ありがとうございます。 いちおう直近の経緯を振り返っておきますと、退役軍人さんによる 警察と自衛隊の違いの説明があり、これに私がいくつかのお尋ねを して、丁寧に答えていただき、聞きっぱなしは失礼であろうと、 私なりの問題意識の一端を述べた、ということでした。 ですからここで、私においては、応答としては一段落という認識 でした。しかしもちろん、退役軍人さんが論を継ぐのは自由ですし、 また、かなり長い論考を書いていただいたのは、私の言葉に、それ なりに何かお感じになることがあったのかな、とも思いました。 以下、「自衛隊の閉鎖性」についてのお尋ねへの答えと、全般を 通じた所感を若干加え、私からは今回は終わりにしたいと思います。 * 私は前回の書き込みで、「現在の自衛隊に対する評価」は下して いないはずです。軍事裁判所の件との関連で、「ある種の閉鎖性」の ような方向性が将来生じるのではないかと懸念すると言ったんです。 また自衛隊の「公開性」についてご説明いただきましたが、要点は、 自衛隊が「十分に公開している」かどうかではなく、国民が自衛隊を 「十分公開されている」と受け取っているかどうか、なんじゃないで しょうか。これはおそらく、おもには自衛隊の問題ではなく、政府の 問題、加えていえばメディアの問題なんだろうと思います。 それは、イラクの件を見ればよくわかる。イラクに行った自衛隊員の 諸君はきっと、自分たちのイラクでの活動を、もっと十分に知って ほしいと思っているのではないかと思います。しかし、事実上の報道 管制のような状態をしいているのは現日本政府ですし、それにさして 抵抗もせずに従っているのが、いまの日本のメディアです。 「国民が知ろうとしないのが悪い」という退役軍人さんの言い分は、 半面か、二分か三分かくらいの事実とは思いますが、「隠している」 「抑えている」側の問題のほうが、ずっと大きいと思います。 * もう一つ。退役軍人さんはしばしば「護憲への固執」を指摘します。 わかりますよ、それは。なぁんも考えずに、「護憲、九条、反戦、 平和」と唱えている人たちも、世の中にたしかにいます。それは私、 もしかしたらあなたよりずっと、よく知っているかもしれない。(笑) しかしそこで、「九条なんて虚妄の理念であって何の意味もない」 というあなたのご主張の根っ子に、それとほとんど同じレベルの 「固執」が、隠れていたりはしませんか? 現行の日本国憲法は、少なくとも戦後すぐの1946年において、 あまりに無残な戦乱と人死に倦み疲れた大勢の国民に歓迎されて、 その後も60年近くずっと、国民に受け入れられ、支持されてきた ということは、歴史的な事実です。 これは、たいへん大きな「現実」です。「現実を見よ」というので あれば、この点から目を逸らす立論こそ、「机上の空論」の最たる ものではないかと、私は思うんですけど。 * > 率直な物言いを心がけましたので、かなり厳しい論調になっている > かと思います。 > > 無礼な物言いをお詫びしておきます。 いえ。そんなことを気にされる必要はありません。軍人さんたちの 実務に関する議論はきっと、遠慮のないものだろうと想像します。 私たち出版人も、企画や取材や上がってきた原稿の内容に関する 「値踏み」のようなものは、それはもう、情け容赦ありません。 ダメなものはダメ。それが出発点です。だからこそ、人格批判だけは 御法度と定める。それは、一般倫理でも何でもなく、「仕事」として やっているんだから、とことん潰しあうのだけはやめようねとお互い 確認し合う。それだけなんです。(笑) まあそんなところで。率直かつ立ち入った論考に、感謝しています。 これは、飾りもタメもない本音ですよ。本当にありがとうございます。 またいつか、お話しいたしましょう。 |
▼ぎみゆらさん:横レス、失礼いたします。 「もう、終わりにします」と殊勝なことを仰っておきながら、最後っ屁をかまされたので、一言書かせていただきます。 >現行の日本国憲法は、少なくとも戦後すぐの1946年において、あまりに無残な戦乱と人死に倦み疲れた大勢の国民に歓迎されて、その後も60年近くずっと、国民に受け入れられ、支持されてきたということは、歴史的な事実です。 マッカーサーでさえホンの一時的ではありましたが、「非武装の理念が世界に普及しつつある(マックメモ・三項目)」と錯覚したくらいですから、敗戦の痛手に打ちひしがれていた日本人たちの感情が無節操な平和主義に傾いたのも無理からぬことではありません。 しかし、憲法草案が書かれる直前に、「鉄のカーテン」が出来、すぐに朝鮮戦争が始まり、以後50年にわたって米ソ冷戦が展開されました。 ぎみゆらさんは「国民に受け入れられ、支持されてきた歴史的事実です」と言われましたが、この間、日本人は「戦争(国家間の武力衝突)及びその可能性を伴うのが世界の現実である」と、実際には知りながら、それについては日米安保条約と言う前提の下にアメリカ軍に「思考してもらい、準備してもらい、行動してもらう」、自分たちはそれについては「見ざる、言わざる、聞かざる」を決め込む、と言う態度をとってきたのではありませんか。 >これは、たいへん大きな「現実」です。「現実を見よ」というのであれば、この点から目を逸らす立論こそ、「机上の空論」の最たるものではないかと、私は思うんですけど。 「この点から目を逸らす」と言うのは、まさにこの「三もらい、三ざる」のことを指すものと、私は思います。 「本物の現実」を言わせてもらえば、近年の「ガイドライン」では、米軍が日本の施設をこれまで以上に自在に使えるものとなってきています。 朝鮮半島にも台湾海峡にも軍事的危機がはっきりと存在しています。 どなたかも仰っていましたが、経済大国の日本にとって、マラッカ海峡をはじめとするシーレーンの安全を如何に確保するか、それは喫緊の課題になっています。 武力の問題を他人事として傍観していられる様な状態ではない、ということです。 >「九条なんて虚妄の理念であって何の意味もない」というあなたのご主張の根っ子に、それとほとんど同じレベルの「固執」が、隠れていたりはしませんか? これらが「日本に影響を及ぼさない」とするその思考は、思考ではなく思考停止状態であり、まさに日本の国益を損ねるものです。 失礼致しました。 |
ステディ ベアさん、おはようございます。 もう......フライングですよ。 折角、反論を書いて推敲してたのに.........(涙........ ▼ステディ ベアさん: >▼ぎみゆらさん:横レス、失礼いたします。 >「もう、終わりにします」と殊勝なことを仰っておきながら、最後っ屁をかまされたので、一言書かせていただきます。 ほぼ同じ論旨なんですけれど、貴兄の投稿の方が数段解りやすいし優れていると認めます。 私には、歴史的事実やその時の国民感情にまで言及した反論はかけないし。 降参です。(笑) その部分だけを削除して、残りは後で投稿します。 失礼いたしました。 |
▼退役軍人さん: >ほぼ同じ論旨なんですけれど、貴兄の投稿の方が数段解りやすいし優れていると認めます。私には、歴史的事実やその時の国民感情にまで言及した反論はかけないし。降参です。(笑) 光栄です。 今後とも精進に勤めます。 有難うございました。 |
ぎみゆらさん、こんばんは。 ステディ ベアさんに先を越された上に表現力の差を感じて、やや落ち込み気味の退役軍人です。 ▼ぎみゆらさん: >退役軍人さん、こんにちは。 >長文のご投稿、ありがとうございます。 こちらこそ、付き合って頂きありがとうございました。 >いちおう直近の経緯を振り返っておきますと、退役軍人さんによる >警察と自衛隊の違いの説明があり、これに私がいくつかのお尋ねを >して、丁寧に答えていただき、聞きっぱなしは失礼であろうと、 >私なりの問題意識の一端を述べた、ということでした。 はい、私の理解もそうです。 >ですからここで、私においては、応答としては一段落という認識 >でした。しかしもちろん、退役軍人さんが論を継ぐのは自由ですし、 >また、かなり長い論考を書いていただいたのは、私の言葉に、それ >なりに何かお感じになることがあったのかな、とも思いました。 感じたというよりも、老人党主流派(笑)の中では、貴兄自らが後述されているように厳しい言葉と醜い言葉、言い換えれば論理の否定と人格の否定は別の次元の話であるとお判りにもなる方だ思ったからです。 論理を憎んで、論敵を憎まず。 でありたいと常々思っていますが、これがなかなか。(苦笑 欲望と一緒に感情という御しがたいものを詰め込んだ糞袋であるが故に。 >以下、「自衛隊の閉鎖性」についてのお尋ねへの答えと、全般を >通じた所感を若干加え、私からは今回は終わりにしたいと思います。 そうですね、お互いの懸念の存在理由や根拠について出し合ったのですから、論理の溝は双方で明確に意識出来たと考えます。 潮時でしょう。 最後に頂いたコメントに所感を述べて終わりにしたいと思います。 続きます。 |
続きです。 >私は前回の書き込みで、「現在の自衛隊に対する評価」は下して >いないはずです。軍事裁判所の件との関連で、「ある種の閉鎖性」の >ような方向性が将来生じるのではないかと懸念すると言ったんです。 > >また自衛隊の「公開性」についてご説明いただきましたが、要点は、 >自衛隊が「十分に公開している」かどうかではなく、国民が自衛隊を >「十分公開されている」と受け取っているかどうか、なんじゃないで >しょうか。これはおそらく、おもには自衛隊の問題ではなく、政府の >問題、加えていえばメディアの問題なんだろうと思います。 > >それは、イラクの件を見ればよくわかる。イラクに行った自衛隊員の >諸君はきっと、自分たちのイラクでの活動を、もっと十分に知って >ほしいと思っているのではないかと思います。しかし、事実上の報道 >管制のような状態をしいているのは現日本政府ですし、それにさして >抵抗もせずに従っているのが、いまの日本のメディアです。 > >「国民が知ろうとしないのが悪い」という退役軍人さんの言い分は、 >半面か、二分か三分かくらいの事実とは思いますが、「隠している」 >「抑えている」側の問題のほうが、ずっと大きいと思います。 残念ながらそうは考えていません。 従軍記者協定が自衛隊あるいは国と、報道機関の間で結ばれていないのが最大の理由であると考えます。 これも、憲法で否定している軍隊との従軍記者協定なんて結びようがないからです。 したがって、平時の訓練や駐屯地の日常を紹介する広報活動の一環として取材を許すことしか出来ないのが現状です。 最大限の公開はしていると思いますよ。 知ることが出来ないのではなくて、知るための適切な方法を知らないだけのことです。 記者クラブなどの互恵組織に甘んじて、独自の取材を試みない報道機関の怠慢でしょう。 取材の基本は、与えられるものではなく、努力して得るものだ。という、なんにでも言える基本が適用されると思いますが、如何でしょう。 知ることが出来ないのではなく、知ろうとしないからですよ。(断言 続きます。 |
従軍記者協定について紹介しておきます。 まず従軍記者となるためには、前提として国民であること、犯罪履歴がないこと、等々の条件があります。 次に厳格な身体検査と身体能力が試されます。 それに合格すれば、海兵隊訓練所で、海兵隊員の初期訓練と同じ訓練を受けなければなりません。 これをクリアし体力認定を取得してから、初めて個人の資格で宣誓書面にサインして従軍取材が可能になります。 取得した体力認定の等級によって、随伴できる部隊が決まります。 これは、どのように頑強な体力を持つものが多数所属する部隊であっても、集団としての能力の限界は最も体力の弱い者が決めてしまう現実があるからです。 これは、記者だけでなくカメラマン等の技術スタッフも全く同じです。 取材チームを編成すれば、その中で一番低い体力認定を持つ者の等級で随伴取材可能な部隊が決まります。 海兵隊のレコン(強行偵察)に、いまだ随伴した記者がいないのはトライアスロン選手並の体力を要求される基準に合格した記者がいないからです。 こういった、基準は軍として従軍記者に最大の保護は与えるが、足手まといは駄目だという至極単純な理由によります。 直接の戦場ではない地域の方面軍司令部などの記者会見は、国防省が発給する共通取材者証(事前に取得する)を持っていれば、国籍や所属する報道機関に関わらず取材が許されます。 従軍記者は武器こそ持たないものの、記者である目印がついただけの全く同じ軍服を身につける義務があります。 これは、誤射による事故を防ぐという単純な理由によります。 さて取材する内容について、厳格な規定があります。 随伴する部隊の車両には部隊識別コードが書かれていますがこれを撮影しないことや、撮影時刻を特定できる部分を撮影しないこと、特徴的な地形で居場所が特定できる場所での撮影は禁止、太陽の向きなどで移動する方角が推定できる画像もダメ。 これらは、現代の映像取材が衛星経由で瞬時に送られ公開されてしまうため、相手に作戦概要などの戦術的データを与えてしまう可能性があり、これは友軍をもっと言えば従軍記者が随伴する部隊を危険にさらすことを意味するからです。 その他は、Mコードが付いていない運用試験中の兵器や装備の撮影禁止など軍事機密の保持に関する規制等があります。 ケブラー繊維を主体としたハイブリッド素材のヘルメットの撮影がこの規定に抵触し、Mコードが付くまで(制式採用されるまで)放映を禁止された例があります。 続きます。 |
続きです。 後は、撮影開始について必ず随伴する部隊の指揮官に許可を得る必要があります。 これは、最近のビデオカメラはほとんどオートフォーカス機能が付いていて、距離測定の為の赤外線を発するからです。 使用されている赤外線波長が、赤外線を利用した照準装置を持つ一部のロシア製兵器と酷似していて、カメラならぬ兵器の照準信号光と誤認され、発光源に対して無条件に射撃するルールの戦場では友軍に射撃標的とされてしまうからです。 こういった、公開性を保つ必要と、取材する側や取材される側のリスクを回避する必要から、細かな規定と責任の所在を明確にした協定が結ばれ、その協定にしたがって取材されるということです。 こういった協定は、現状の法制度の下では作りようがないのが現実です。 従軍記者に取材を許すということは、部隊を危険にさらす可能性をなくせない以上、随伴される部隊には負担となる現実があります。 随伴記者を喜んで迎える指揮官なんていやしないと思いますよ。 それでも、納税者の軍隊であるから多少のリスクは容認して納税者への窓口である報道機関の随伴を許すのです。 サマワの場合もこれと全く同じです。 自衛隊員は、迫撃砲弾の落下音や砲弾の飛翔音、さらにはロケット砲弾の飛翔音などで近接着弾か、あるいはそうでないかの判断ができます。 そういった基本的訓練を受け、なにも考えずに反射的に自分や同僚を護る行動ができるということ。 前述したような基本的訓練も受けていないし、どの程度の体力があるのかも判らない日本の報道機関の取材クルーなんて、迷惑なだけの存在ですよ。 逆に取材クルーに随伴する自衛隊員を危険にさらすことになります。 それでも、無理やり受け入れたとして取材クルーの誰かが、テロリスト勢力の攻撃で死亡したり怪我を負った場合の責任は、誰が負うのでしょうね。 政府の責任であると追求されるのは明白じゃあありませんか。 街中を取材中の交通事故の類でも自衛隊の責任を追及されるでしょうし。 そういった危険を自衛隊として、いや政府として担保出来ないから随伴取材を許していないだけのこと。 単なる技術的問題に過ぎません。 違憲であるが故に、こういった協定の交渉なんか出来やしないでしょうに。 合憲であれば、可能だと思いますよ。 これを隠しておくためだとか言われるのは、邪推というものです。 スペイン戦争のロバート・キャパや、ベトナム戦争の沢田教一等の戦場カメラマンが活躍できるような戦場は、もはやどこを探しても存在しない現実があります。 あまり使いたくない言葉ですが、全てを自己責任で自身の生命すらかけて取材に望む覚悟がないと、現状ではイラクへ足を踏み入れることすら不可能でしょうね。 続きます。 |
続きです。 >もう一つ。退役軍人さんはしばしば「護憲への固執」を指摘します。 <失礼省略、ステディ ベアさんに書かれてしまったので> >しかしそこで、「九条なんて虚妄の理念であって何の意味もない」 >というあなたのご主張の根っ子に、それとほとんど同じレベルの >「固執」が、隠れていたりはしませんか? 一言だけ申し述べれば、というか白状すれば私は左翼少年だったと。 現実を率直に見つめる事を教えてくれた父と母に感謝していますとも。 <失礼省略> >これは、たいへん大きな「現実」です。「現実を見よ」というので >あれば、この点から目を逸らす立論こそ、「机上の空論」の最たる >ものではないかと、私は思うんですけど。 目なんかそらしちゃあいません。 現実を直視すればするほど、憲法九条が持つとされる理念の力が見えなくなる。 というか、元々ありもしない幻想なんですけどね。 ざっくばらんに軍人の良く使う質の悪いジョークでお返しすると 紙切れ(ここではドル紙幣の意)じゃあ息子を避難させる穴しか買えんし、弾よけにもならん。 ★退役軍人の紙切れの意(憲法九条) 20$の天使たちの意味がお判りになるのなら理解できるでしょうけれど。 謎かけってことで、詳しく書くと放送禁止用語になっちまう。(笑 >いえ。そんなことを気にされる必要はありません。軍人さんたちの >実務に関する議論はきっと、遠慮のないものだろうと想像します。 >私たち出版人も、企画や取材や上がってきた原稿の内容に関する >「値踏み」のようなものは、それはもう、情け容赦ありません。 > >ダメなものはダメ。それが出発点です。だからこそ、人格批判だけは >御法度と定める。それは、一般倫理でも何でもなく、「仕事」として >やっているんだから、とことん潰しあうのだけはやめようねとお互い >確認し合う。それだけなんです。(笑) 軍人の実務に関する議論は至極冷静で言葉を選んだ穏やかなものですよ。 氷のような冷たさが同居しますけどね。 但し、演習などで判断の誤りをしでかして率いる部隊に危険を招いた指揮官は酷い目に会いますよ。 演習総括の講評で上級士官からの罵倒は凄まじいと言っておきます。 放送禁止用語の連発ですよ。これは酷い。........ 実戦であったなら、同僚でもある部下を失い納税者から預かった資産を駄目にしてしまうということですからね。 厳しいなんてレベルは通り越します。いとも簡単に。 「罵倒ですんでよかったじゃあないか、実戦なら一生後悔することになってる。」 って慰めるのですけどね。(笑 >まあそんなところで。率直かつ立ち入った論考に、感謝しています。 >これは、飾りもタメもない本音ですよ。本当にありがとうございます。 >またいつか、お話しいたしましょう。 こちらこそ、ありがとうございました。 |
退役軍人さん もう古くなったスレッドから蒸し返すのも気が引けるのですが、ぎみゆらさんとの対話を拝見していて、どうにも腑に落ちない所がいくつかあるので、私ごとき軍事には知識もなく,余り厳密な議論も出来ない老人が横から口を挟むのも申し訳ないながら書かせていただきます。 複数の古い書き込みから引用する方法も良く分からないので見難いかもしれませんがお許し下さい。また、全文を引用すると長くなり行数制限に引っ掛かるといけないので、貴殿の文章のうち特に気になった箇所のみ引用、貴殿の意と或いはそぐわないことになるかも知れませんが、これも予め御容赦願っておきます。 (貴71665) >自衛隊は、冷戦時代にあるとされた旧ソ連軍極東軍管区十個軍団が強襲揚陸を試みるであろうという脅威に対抗するために、米軍の陸上兵力を補完する目的で設立されたと考えています。 (中略) >冷戦時代に自衛隊は、極東不安定の弧(日本・台湾・ベトナムを含むインドシナ半島経てインドネシアを結ぶ線)の一番北側で、極東ソ連軍と対峙する役目を果たしてきました。 >このために、最新鋭の戦闘機を保有し、さらには極東最大最強の対潜哨戒機飛行隊や練度の高い護衛艦隊を保有させ運用させ、さらに渡海侵攻を撃退できるだけの陸上兵力を持つ必要が、米軍の都合であったということです。 貴(71666) >この(中国,と北朝鮮の)脅威に対抗するためには、今まで以上に米軍の通常戦力のプレゼンスが日本にとって死活的要素を持ちかねない状況となった。 >現状では、完全な米国の貸し越しでしょう。 こういった意識というか認識があるから要求が厳しさを増していると思います。 ・これらの文脈から私が理解する所は、自衛隊は初めから米軍の都合で作られ、米軍の世界戦略の中で存在してきた、ということです。つまり、米軍の都合に逆らっては動けない、自衛のためであろうが何だろうが日本独自の行動ははなから想定されていなかったし、今も想定されていないということです。 ・例えば最近報道されるように、世界戦略再構築に伴って日本国内基地の再編成のみならず自衛隊の(軍備等の)あり方まで米軍から指示されている。 ・更に、これは軍事に物凄くお詳しい貴殿が意識して避けておられるのかも知れないが、(米軍との合同演習については後で触れて居られるが)、自衛隊は軍事偵察衛星の情報を初め、イージスシステムの情報共有など、およそ戦争の基本となる情報の殆ど全てを米軍に頼っている。従って米軍の同意、協力なしに戦闘行動など出来る訳がない。 ・即ち、これはいつも小生がこの板で申し上げていることだが、改憲・再軍備(貴殿は自衛隊はもう立派な軍隊だからただ既成事実を認めればよいとのご意見のようだがそれも含めて)を主張される方々は、恰も独立した,自前の軍隊が持てるような、日本国民が望めばその通りに動いて,決してその枠を踏み外さない軍隊が出来るような議論をされているが、そんなものは存在し得ないということではないか。 いうなれば、自衛隊は戦略的にも戦術的にもアメリカの影響下にあり、アメリカの同意なしには動けない軍隊である、と言うことでないか。 ・ついでながら、新しい米軍の世界戦略は、テロ国家の危険性等に対応して基地の重点をグアム等に展開するというもので、必ずしも中国等の脅威を意識したものではないようですが。日本がその世界戦略に巻き込まれているとすれば、どういうことになるのでしょうか。 (続きます) |
退役軍人さん 続きです。貴(71781)について >>九条の問題も、「これからの私たち、未来の日本にとって、自衛隊の >>存在と役割とはいかなるものであるべきなのか(自衛隊をなくす、 >>という選択肢も含めて)」というテーマと不可分であるはずです。 >残念ながら同意できません。 と指摘しておきます。 理由は単純明解です。 警察をなくすという選択肢が存在しないのと全く同じ理由によります。 形を変え、名前を変えたとしてもコスタリカと同じです。 >国家という集合体の安全を担保するいくつかの要素があります。 経済力もそうでしょうし、高い倫理観や道徳の観念をお互いが持ち合わせるというのも一つの要素です。 >その中で、自身を護る力というのは国家という集合体生存の必須条件となります。 手法としてはコスタリカに学ぶべき点があるかもしれませんが、近くに同盟国を持たない日本では無理難題と言えるでしょう。 >まぁ、人類全てが欲望を捨て去ることが出来るのなら可能でしょうが。 ・私の国語の素養からすると、「・・と指摘しておきます。」という言い方は避けられた方が良いと思います。これは完全に事実,または真実であることを述べるときに使うもので、特に経験豊富な大先生のご託宣となると、「本当かいな」と誤解される可能性があります。 私は、“自衛隊をなくすという選択肢は存在しない”と思っていれば永久に無くならないだろうが、 「これからの私たち、未来の日本にとって、自衛隊の存在と役割とはいかなるものであるべきなのか」 というような姿勢で、真摯に自衛隊のあり方を日本の将来と結びつけて考えた場合、自衛隊をなくす、或いは変えるという選択肢が全く無いとは言いきれないと思います。例えばアジア共同隊であるとか。勿論、アメリカのご意向には沿わないかも知れぬので、可能性は現在の所少ないのは承知していますが。 ・高い倫理観や道徳の観念をお互いが持ち合わせる・・・・本当にその通りだと思いますが、自分は持っているが相手は持っていない、というニュアンスではありませんか。相手から見たら日本はどう見えているのでしょう。お互いにけなしあっていては平和などありっこない、と思います。 ・近くに同盟国を持たない日本では無理難題・・・何故、近くに同盟国を作ろうとしないのですか。何度も言っているのですが、相手が悪くて自分は正しい、中国などを脅威とのみ捉える敵・味方の単純論理に私は与しません。 ・人間に欲望は必須である。人間に欲望がある限り平和などありえない。こう仰りたいのでしょうが、欲望を如何に理性でコントロールして、平和共存を図るかが人間関係の基本と信じます。平和に共存できてこそ、人類は幸福になることを考えれば、平和共存こそ人類の最終の欲望といえるかもしれません。 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」 日本国憲法前文の理想は、貴殿に言わせれば当時のアメリカのご都合で押し付けられたもので、もはや時代にそぐわない、かもしれませんが、未だにこれが人類の理想であることを私は信じます。 (また続きます) |
退役軍人さん 続きです。(貴71784について) >とりあえずの「印象」のようなことを言いますと、職務と組織の性格 >から、法的な待遇という面も含めて、「自己完結」を目指す傾向、 >ある種の「自治」のようなものへの志向を強くもっている、という >ことなのではないかと感じました。 >これは断言できますが、認識の誤りというか完全な誤解です。 後述しますが、軍隊は誰のものかという点でいえば【納税者の物】という認識があります。 >自己完結型の組織ではありますが、全てを組織の中でやれてしまうと、それは【一つの国家】となります。 こういった方向に向かわない為に、【納税者の軍隊】という定義があるのです。 ・【納税者の物】という認識とか、【納税者の軍隊】という定義が何処にあるのか、どの位担保されているのか私には分かりませんが、そうは言われても我々老人には、過去の(司馬遼太郎の「避難民など踏み殺して進め」ではないが)皇軍の記憶が抜けないし、現在で言えばグアンタナモ収容所ではかなり不当な拘束が続いているとか、テロ防止のためには盗聴自由などとかなり怖い話もあるし、兎に角権力と暴力を併せ持った組織が大人しく枠にはまったままであり続けるなぞということは、いくら大先生に断言されてもどうも信じきれない思いです。 ・以前貴殿が“軍隊の本質”だか“定義”だか長々と軍隊論を開陳された時、今ひとつ本意が分かりかねていたが、要するに私の理解では(浅薄で申し訳ないが)軍隊というものは大変訓練された組織ではあるが、単なる道具であって、これを為政者が上手く使いこなせば良いというような事であったと記憶しています。“軍隊”に対する一種の拒否感か,アレルギーを取り除こうと努力されているように忖度しますが、どうしても私にはそんなに気楽には考えられないのです。 ・イラク派遣の経緯など考えると、自衛隊はアメリカの【納税者の軍隊】かも知れませんね。 (また続きます。) |
退役軍人さん また続きです。貴(71986)について >現在我が国が持つ軍事力を放棄するということは、国防を放棄するのと同義語です。 >現在、それが可能な状況なのですか。?? 将来、それが可能な状況が生まれますか。?? どちらもありえないと指摘しておきます。 ・また「指摘しておきます。」とのことですが、理想としてそういう世界を目指すというのは尊いことであるし、将来に亘って「可能な状況」が生まれないと断言するのも独断ではないでしょうか。 >軍事力の保有は、国家の安全という観点で最後の砦となる確証なのです。 ・軍事力を保有するために、却って不安全になることもありうると思う。(後で、貴殿の中国の脅威について述べて居られる所で再論します。) >これは、外交の本質とも関わりがありますが、平和外交などという言葉は絵に描いた餅に過ぎず、なんら実効性も影響力も成果ももたらさない単なる観念的定義に過ぎません。 ・争うことしか念頭にないのでしょうか。他国との友好を目指すのでなければ、自国に平和など定着するはずもない。こういう言い方は説得力もなく、己を貶めるだけなのでお止めになったほうが良いかと存じます。 >確信を持とうが持ちまいが、確証とは言えない観念に自国の安全を託すなんぞ正気の沙汰ではありません。 ・平和を維持できる環境を作る努力を尽くさず、「確証と言えない」と断言されるところに、理想を失った人の空しさを感じます。 それでは軍備を持てば安全であるという確証があるのか、どういう条件で、どう“安全”なのか。 (また続きます。) |
退役軍人さん また続きです。(貴71987) >何度も申し述べているように、外交の本質は【内政干渉】そのものです。 その外交の延長線上に本来あるべき軍事力の行使をしないと憲法で明確に否定しているわけですから、まともな交渉になる訳がない。 外務省の交渉が、使える選択肢として経済的圧力のみに限定されている故の、不利が大きいと思いますよ。 >例えば、我が国と中国の間で武力紛争の原因となりそうなもっとも危険な火種は東シナ海の天然ガス資源の争奪戦です。 前述したように、中国はエネルギー飢餓状態になりつつあります。 この天然ガス資源は、絶対に日本に渡せないと考えているでしょう。 日本も長期的エネルギー戦略から、絶対に渡せない資源なのです。 >この国益の矛盾に、双方が勝者となれる外交的というか、交渉による解決はありえません。 交渉によるのであれば、どちらかがあるいは双方が不満を抱えたまま妥協するしか道はないのです。 それが可能な状況かと考えれば、もっとも解りやすいと思います。 ・相変わらず敵・味方,勝つ・負けるの単純論理ですね。こういう単純論理で恐怖心と言うか、敵愾心と言うか、安易なナショナリズムを煽ることを私は好みません。平和愛好国家の国民であるなら、まず如何にして紛争を避け、自国も相手国にも満足の行くような解決策を必死になって探るのが第一でしょう。 ・貴殿が言うとおり、“交渉によって“、“どちらかがあるいは双方が不満を抱えたまま妥協する“事が不可能だとすると、どうなるのですか。端的に言って、戦争しかないということですか。 ・双方が(お互いの立場も考えて)満足の行く解決と言うものをまず目指すべきです。私は40年のビジネス生活でもこのモットーでやってきたし、そのお陰で、周りの協力,助力も得て、見込みの少ない事業を成功させたこともあります。 ・危機管理というのは、想定しうる危機に対し、如何に安全にその危機を回避するかが眼目であります。 ・中国は今、多くの矛盾,困難を抱えています。日本が助力出来ないものもあるが,大いに助力すべきものもあります。エネルギー・資源の浪費とそれによる深刻な環境汚染への対応などはその例です。これらは民間ベースで行われつつあるが、国がこれに積極的に関って行けば、より加速され、効果も大きくなるはずです。友好関係も促進されるでしょう。日中双方のの経済にも好影響があろうと思われます。外交が軍事力と経済力のみに支えられていると言う論には賛成しかねます。 ・現実は、ガス田の共同開発についても、相手が“靖国”と言った途端に話が頓挫し、中国にどんどん既成事実を作られるまま、というところです。 >中国のエネルギー危機はここ十年以内に必ずおきます。 中国人民解放軍海軍が、遠洋における作戦能力の獲得に必死に取り組んでいる状況と無縁ではないということです。 (中略) >こういった現実を直視すれば、国益即ち国民の利益の保護に必須の条件となる国防に最終的な確証となる軍事力が必要不可欠であるのは自明の理です。 >憲法を改正し、関連法制を整備する。 (日本の軍隊は物凄く優秀だから)これだけで、当分の間日本に手を出せる国は存在しなくなります。(貴71989) ・本当でしょうかね。貴殿が言うとおり中国が軍備の増強に躍起になっているなら、そして本当にエネルギー危機に見舞われたら、いつか(日本の領海内の)東シナ海のガス田を狙ってくるかもしれない。如何に貴殿が軍事の博識であっても、将来の中国の動向まで決定できる筈はあるまい。 そうなったら、アメリカは日本と一緒になって中国と戦ってくれるか?私 は、米国が外交の重点を中国に置きつつあることから,100%イエスとは言えないのではないかと思います。しかし、前にも述べたように、自衛隊(軍)はアメリカなしで戦えるのか? それより何より、ガス田を巡って戦争をするのが、本当の“自衛”なのか? (また続きます) |
退役軍人さん これで最後にします。(貴78989)について >遅れてきた軍隊でもなんでもない、実態は第四世代の近代軍に脱皮を目指す、もっとも進んだ軍備であるし世界でも例を見ない高い練度を誇る精強の軍隊です。 (失礼ながら中略。海上自衛隊が優れていることを具体例を挙げ力説) >イージスシステムを海上自衛隊に供与したのは、使いこなせる練度をもった軍隊であると認めたということです。(71989) 憲法九条の理念など、何の貢献もしていないと明言しておきます。 ・アメリカにしてみれば、(アメリカの都合で)一緒に戦えるようにしておくのが第一の目的でしょう。 アメリカの手下として戦わせるのに、憲法の理念は邪魔になるでしょうね。 >残念ながら、理念は力になりません。 力と力の均衡が紛争を抑止しているというのが、唯一の現実です。 ・理念は、実行に移さなければ力にならないでしょうね。理念を持って国を救った人などは、理念が行動を貫いていたのだと思います。 これに対し、力の信奉者が戦争を招き、国を危うくした例は史上いくらもありますね。 ・どの国と国とも力が均衡しているから、紛争がないと考えるのは如何なものか。どの国も平和への努力に精力を傾けている。してみれば、紛争の種をまず除くことこそ肝要ではないか。その為には、平和憲法の理念は大いに力になる筈です。 ・ 大体、こういう断言的な口調になるときは、人間えてして根拠が薄いことがあるものです。 >憲法を改正し、関連法制を整備する。 これだけで、当分の間日本に手を出せる国は存在しなくなります。 >>いまはまだ、これ以上の具体的なイメージをもっているわけでは >>なく、これからもっと考えてみたいと思っています。 >失礼ですが、具体的イメージは持てないでしょうね。 率直に言わせて頂いて、ありもしない選択肢であるからです。 ・理想に向かって現実をどう変えてゆくかと言うのは、簡単ではないでしょう。そこでぎみゆらさんが謙虚に「もっと考えてみたい」と言っておられるのに、ありもしない選択肢と決め付けるのは、仰るとおり失礼でしょうね。 >ただ、護憲の立場からも、改憲の立場からも、いまこれだけ憲法 >論議が出てきているなかで、「私たちが選び取るべき、日本と >自衛隊の未来を、この機会に、できるだけ具体的に考えてみる」 >ということが、とても大切なポイントであるように思います。 >これには、同意いたします。 しかしながら、護憲への固執という結論先にありきの姿勢を捨てられない限り、なんら有効な考察は出来ないであろうと指摘させていただきます。 ・護憲への固執と言うより、憲法の平和共存の理念への固執と私は考えたいです。そうすれば、人類共通の理念が大前提になり、徒に現実,現実と固定的な姿勢をとらせることも無くなると思います。 長々と失礼しましたが、色々瑣末な議論としてはご反論もあろうかと思いますが、私は書き込み能力もトロイので、丁々発止と言うことも叶わず、またROMになるかと存じますが悪しからず御容赦下さい。 |
▼高橋さん: >退役軍人さん >これで最後にします。(貴78989)について 真摯な議論を感心しながらROMさせていただきました。 全体的に同感です。 ありがとう ございました。 > >> >>ただ、護憲の立場からも、改憲の立場からも、いまこれだけ憲法 >>論議が出てきているなかで、「私たちが選び取るべき、日本と >>自衛隊の未来を、この機会に、できるだけ具体的に考えてみる」 >>ということが、とても大切なポイントであるように思います。 > >>これには、同意いたします。 >しかしながら、護憲への固執という結論先にありきの姿勢を捨てられない限り、なんら有効な考察は出来ないであろうと指摘させていただきます。 > >・護憲への固執と言うより、憲法の平和共存の理念への固執と私は考えたいです。そうすれば、人類共通の理念が大前提になり、徒に現実,現実と固定的な姿勢をとらせることも無くなると思います。 > >長々と失礼しましたが、色々瑣末な議論としてはご反論もあろうかと思いますが、私は書き込み能力もトロイので、丁々発止と言うことも叶わず、またROMになるかと存じますが悪しからず御容赦下さい。 一言、感想を。 私は憲法と自衛隊については、きわめて保守的態度をとって行きたい。 改憲派の方に、特に言いたいのは ・憲法9条は、国民の生活にとって、今は特に、何の支障もない。 ・改憲など余計なことをやらないで欲しい。今のままでよいではないか。 ・自衛隊法も最近、有事立法関連で、違憲的な改定を進めているが、アメリカとの共闘、後方支援の強化は、止めて欲しい。 憲法9条を著しく悦脱するような法改正、特別立法は国防のためにもかえって危険である。 ・このまま違憲的有事立法を強化したり、憲法9条改定は、平和外交、経済友好を阻害し、返ってテロ等の目標にもなりかねない危険がある。 日本は、この良き憲法が歯止めで、60年の平和を維持してきたではないか。 余計なことをしない、せめてソットしておいて、いじらないで欲しい。 |
▼昭和 人さん: お邪魔いたします。 >改憲派の方に、特に言いたいのは >・憲法9条は、国民の生活にとって、今は特に、何の支障もない。 >・改憲など余計なことをやらないで欲しい。今のままでよいではないか。 生活に何の支障もないからそのままでいい,というのは泥棒を見て縄をなうようなことではないでしょうか。 それに,いまのままでは国の形,方針が曖昧なママと感じます。 軍隊をもっているのに,かたくなに軍隊じゃない,というほうが誠実さを欠くと思います。 >・自衛隊法も最近、有事立法関連で、違憲的な改定を進めているが、アメリカとの共闘、後方支援の強化は、止めて欲しい。 確かにそれは思います。 しかし,いまの世界秩序の中で,日本が米国に逆らえるのかどうか, ある程度の抵抗はできても,結局は米国の意に添う形にしないと,収まらないでしょう。 それほど,米国が力を持ちすぎています。(あるゆる意味で) >日本は、この良き憲法が歯止めで、60年の平和を維持してきたではないか。 >余計なことをしない、せめてソットしておいて、いじらないで欲しい。 わたしも書いたと思いますし,退役軍人さんもさんざん書いておられましたが, 第9条が日本を守ったのではないと思います。 厳然として,自衛隊と米国が守ったのです。 第9条は,確かに日本から軍事力を奪う目的で書かれています。 その代償として,世界(国連),就中米国が日本を守る約束の上で,成り立っているのです。 いつまでも米国におんぶにだっこするのですか? 自分の国は自分で守らなければならないのではないですか? |
>わたしも書いたと思いますし,退役軍人さんもさんざん書いておられましたが, >第9条が日本を守ったのではないと思います。 >厳然として,自衛隊と米国が守ったのです。 というのも,憲法第9条があっても,北朝鮮・韓国・中国・ソ連(ロシア)の 領空侵犯はどれだけあったかご存じですか? 民間機ではないですよ。 これに,自衛隊がスクランブルして警告し,米国が追尾していなかったら, どうなっていたことか,わかりません。 日本に米国も自衛隊もいなければ,警告どころか侵犯している事実さえわからないのではないでしょうか。(もちろん,未確認飛行物体としてレーダーにはうつるが,どこの国かはわからないでしょう) それは,危ういとは思われませんか? |
あなたの書き込みは、何を言いたいのか。何を提案し、主張したいのか わからない。(前にも言ったことがある) 9条は何のために改定したいのですか? 軍隊を作って、交戦権を行使し、戦争したいのですか? 誰を相手に戦争するのですか? 9条を改定しなければ できないことは 何ですか? 軍隊を正規化してアメリカと共同した軍事行動をしたいのですか? 上記のどれでもないなら、何故 改憲9条ですか。 簡潔に答えてください。 |
▼昭和 人さん: レスをいただきありがとうございます。 ただ,何が言いたいかは,読んでいただければわかるはずですけどね。 投稿を読まずにレスされているのでは? >9条は何のために改定したいのですか? ちゃんと前の投稿に書かれています。 自衛隊を放棄できない限り,憲法と現実がだぶるスタンダードになっていることです。 それで日本人も苦しんでいるのではないですか? しゃあしゃあと,「合憲だ」とはいえないところに。 自衛隊が必要ならば,憲法にそう明記すべきです。 >軍隊を作って、交戦権を行使し、戦争したいのですか? 戦争したい,などと,どこに書きましたか? 悪い方に導かないでいただきたいものです。 警察官は拳銃を持っていますが,人を撃ち殺したいとは思っていないでしょう。 守りのためには,必要な自衛隊を憲法で明記するのに何の不思議があるでしょう。 第1項で戦争放棄をうたっているのですから,自衛隊の存在意義を書く必要があるんじゃないですか。 >誰を相手に戦争するのですか? もし日本が参加するとすれば,国連安保理決議で決められた相手です。 >9条を改定しなければ できないことは 何ですか? ダブルスタンダードによる世界からの疑念の払拭です。 軍隊をもっていはいけないとあるのに,現実にはもっている。 自衛隊の中途半端な存在のあり方の解決。 いまだに違憲という人は多い。 >軍隊を正規化してアメリカと共同した軍事行動をしたいのですか? 本心はしたくないですね。しかし,安全保障を米国に頼っている以上, ある程度のことは妥協しなければならないでしょう。 また,国連での決議であれば,多国籍軍に参加はあり得るでしょう。 ただし,米国の要求であっても取捨選別して拒否できるものはあるでしょう。 第9条第1項は残すのですから,外交問題を戦争で解決はしない。 |
参考までに。 平時における航空自衛隊による武器の使用について(財)DRC研究参事 http://www.drc-jpn.org/AR-8/hasegawa-04j.htm 東奥日報 「解かれた核の封印 -29-」 http://www.toonippo.co.jp/rensai/ren2000/misawa/msw0318.html Yahoo! News http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060104-00000003-san-pol 航空自衛隊 http://www.jda.go.jp/j/news/2006/01/0125.htm 官邸資料(平成16年度) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei/dai8/8siryou1.pdf 領空侵犯の回数については防衛白書をあたってみます。 |
▼風の旅人さん:こんばんは > 領空侵犯の回数については防衛白書をあたってみます。 防衛白書1989年度 第3部(脚注)1958〜1990までの統計データがあります。 http://jda-clearing.jda.go.jp/hakusho_data/1990/w1990_03023.html 1990年代以降は年間150〜200回らしいのですが、ちゃんとしたデータを探すにはもう少し時間が必要です。 それでは |
失礼いたします。 高橋さんありがとうございました。 霧が晴れた思いです。 「昭和人さん」同意いたします。 どなたかが以前に書かれていたことですが、 自衛隊と米軍は確かに存在しましたが、彼らが日本の平和を守ったと言う確証はありません。 むしろ、自衛隊が海外において、戦闘することが出来なかったため、彼我の血を流す事が無かったことが、日本の平和を守ったのかも知れません。 この意味において憲法9条が日本の平和を守ったと言えます。 |
▼若輩老人さん: >失礼いたします。 >高橋さんありがとうございました。 >霧が晴れた思いです。 > >「昭和人さん」同意いたします。 >どなたかが以前に書かれていたことですが、 >自衛隊と米軍は確かに存在しましたが、彼らが日本の平和を守ったと言う確証はありません。 > >むしろ、自衛隊が海外において、戦闘することが出来なかったため、彼我の血を流す事が無かったことが、日本の平和を守ったのかも知れません。 >この意味において憲法9条が日本の平和を守ったと言えます。 1月17日、ワシントンで米国防長官ラムズフェルトは額賀防衛庁長官に、自衛隊をイラクでの保安任務に使用できないかと持ちかけた。額賀長官は”現行の憲法下では困難である”として拒絶した。 額賀長官が改憲論者であるなら、憲法は忌々しい足枷と舌打ちしたでしょうし、日本人もアラブ人も傷つけたくない、殺したくない、と思う人なら、内心では憲法に手を合わせて拝んだでしょう。もし改憲が行われていたら、彼はラムズフェルトの”命令”に逆らえたでしょうか。本当に冗談ではない、危ない危ない。 http://www.crisscross.com/jp/news/362682 |
▼加茂井77さん: > 額賀長官が改憲論者であるなら、憲法は忌々しい足枷と舌打ちしたでしょうし、日本人もアラブ人も傷つけたくない、殺したくない、と思う人なら、内心では憲法に手を合わせて拝んだでしょう。もし改憲が行われていたら、彼はラムズフェルトの”命令”に逆らえたでしょうか。本当に冗談ではない、危ない危ない。 逆らえたでしょう。保安任務とは,自衛権の発動ではありません。 自衛隊は自衛をするために存在することを憲法に明記するので,改憲をしても拒否できます。 |
私の書き込みに付き合って下さった皆様 遅く書き込みを入れて、長々と書いてしまって、申し訳ありませんでした。 昨日、NHKのテレビで、「国家の品格」とか言う本の批評をしている時、「論理は全て情緒に発する」と書いてあるようなことを誰かが言っていましたが、私もその通りではないかと思います。 私が平和共存を大前提にするには、いくつかの理由があります。 一つには、幼いながらも戦争の悲惨さを多少ながら身をもって経験し、こんなことは、他人にであっても決して起きてはいけない、と思い定めたことです。 私が気が弱く、他人との争いを出来るだけ避けたい、と言う意気地なしであるからかも知れません。 もう一つは、私が般若心経の「空」を私なりに信じているからです。 この世の中に絶対などと言うものはない。人間,機縁(環境その他)によりどうにでも変わるものだ、と言う認識、例えば自分が中国人であったら、イラクに生まれていたら、と言うような想像力を絶えず持ちたいと思っています。 自分が思っていることが本当に,絶対に正しいか。自分が思っている自分が本当の自分なのか、他人の存在,信念と自分のそれとどちらが正しいか。 相手も私と同等の生存の権利を有するなら,どちらが優先するか。 そう考えると、基本は平和共存と言う所に行き着くと思います。これが仏の慈悲であり、愛であるのではないか。 人間が環境によって左右される程度の存在であるなら、権力を持つか否か、或いは道具を持つか否かで人間が左右されることはないか。道具(軍隊)を持つ者と、持たないものでは思考が変わるのではないか。 人間は所詮煩悩の塊であるから、利他を説くは難く、利己,相手に対する恐怖心,反抗心を煽るは易い。しかし誰にも基本には平和共存の希望があるので、思い切って芯から相手の境地に立ち、共通の利害を見出す,或いは共通の世界を作ろうとすると、意外に物事が上手く行くか、少なくとも友好的な雰囲気だけは作れるものと私は経験上(日本でも、海外でも)信じています。何処までその努力をするか、です。 最後に「高木敏子さんからあなたへ」(朝日新聞1月28日生活欄)より引用して終わります。 戦争を知らない子どもたちの、さらにその子どもたちにお願いです。戦争を起こすのは人の心です。戦争を起こさせないようにするのも人の心です。戦争を起こしても言いという心を持つ人が増えたら、過ちが繰り返されてしまうかもしれません。みんなで戦争を起こさせない心の輪を強く結び、世界に向かって広げていきましょう。 |
▼高橋さん: >私の書き込みに付き合って下さった皆様 > 心に、重く振動が伝わってくるレスポンスを拝見して、感服しております。 具体的には、コピーを取らしてもらって吟味させてもらいます。 |
▼高橋さん: 誠意溢れるメッセージを有難うございます。おっしゃることに心から共感し、このようなご意見に出会えたことに、希望と勇気を感じました。 |
高橋さん、こんにちは。 レスありがとうございます。 ご主張の中身には、大いに賛同できる点もあります。 逐一反論させて頂きたいと考えますので少し時間を下さい。 たぶん、帰国してから書くことになると思います。 失礼いたしました。 |
高橋さん: 理論の功稚は別です。 心に沁みました。 少し、いやしばらく考えさせて下さい。 |
護憲派の尊い意見を聞かせていただいた気分です。 このような,真正面からの意見のぶつけ合いこそ, 護憲派,改憲派の実りある議論を深めるものだと思います。 わたしは,もちろん戦争反対です。 ただし,外交というものは,その先には軍事力を見据えて, しかもそれを発動せずに有利に持ち込もうという, そういう面があると思いますし,憲法の第9条第2項は変更すべきと思います。 なぜなら,第2項を死守するほど,世界の状況が整っていないと思うからです。 その感じ方は人それぞれでしょうが,いまだ自分の心配は自分でしなければならない 世界状況と思います。 この後の退役軍人さんやステディベアさんなどとの議論を楽しみにしております。 |
高橋さん、こんにちは。 長文の書き込み、拝読しました。いくつかの点で、非常にずっしりと 気持ちに届くものがあるご意見でした。いまはあまり考えを深めて お返しするだけの余裕がないものですから、とりあえず思いついた ことを二つ、あらましのみ記します。 一つには、昭和ヒトケタの私の父母、ほかにも同じ年代の方々幾人か からうかがったことがありますが、終戦後の1946年、「これからは 戦争をしない国をつくるんだ」と宣言した日本国憲法が、どれほど 輝かしく、ありがたく、頼もしいものであったかということ。 高橋さんにいうまでもなく、食糧事情はじめ「生きる苦労」のような ものは、ある意味終戦直後の数年のほうがよりたいへんだった。私の 母に言わせると「それこそ日本中、上を下にひっくり返したみたい。 何がなんだかわからない、何が起きても驚かない時代だったけど、 でも世の中のいろんなところで、ものすごく活気があった」 そんな時代のなかで、平和憲法の存在がどんなにありがたいもの だったか。1946年の日本人にとって「ありがたい」ものだったから、 未来永劫一字一句変えてはならないということではないのですが、 当時の人たちのそうした気持ちを、60年後の「今の目」できちんと 振り返っておくのは、大事なことの一つではないかと思います。 もう一つは、平和憲法、とりわけ九条が、アジアの諸国民に与えた 「安心感」のようなもの。ここのところについては、何かこれを わかりやすく提示できるような資料等はないものかと、あらためて ちょっと、調べたり考えたりしてみたいと思っています。 「奇跡の復興」を遂げた日本の企業が再び諸外国へと積極的に進出し 始め、エコノミックアニマルなどという言葉が使われるようになった のは、1970年代頃のことだったでしょうか。「大東亜共栄圏」から、 まだたった30年前後という時代です。 その頃、日本企業の工場や貿易拠点などを受け入れたアジア各国に とって、憲法九条、それから防衛二法と同時に決議された「自衛隊の 海外出動を為さざることに関する決議」(1954年6月2日参議院 本会議)の存在は、非常に大きな「安心感」の支えだったのでは ないかと思います。 この二つの点、それからもちろん、高橋さんが最初にご指摘の、 日本の自衛隊はますます「米軍の一部」になりつつあるという認識、 この辺が、これからの憲法論議の勘所であるのかもしれないなとも、 書き込みを拝見してあらためて考えました。 以上まとまりませんが、取り急ぎの感想と言うことで書き込んで おきます。またいずれゆっくりお話しできればと思います。 どうもありがとうございます。 |
高橋さん、こんにちは。 具体的反論をさせて頂く前に、反論の根底にある私の意識をお話しておきます。 何故かと言うと、たとえ見方考え方の相違はあれ、貴兄のご意見の根底に人としての誠意を感じるからです。これは、ぎみゆらさんや、昭和 人さんに感じた物と同じものなのでしょう。 誠意には、誠意を持って応えたいと思います故。 閑話休題 随分と昔の話になりますが、私は三十年と少し前に理想と現実の違いを思い知らされました。 人類愛だ、平和の希求だ、などといういわば理想が、圧倒的な現実に押しつぶされる光景をこの目で見たからです。 それ以来、実現の可能性を現実的方法論で担保した理念しか、理念とは呼ばないと心に誓いました。 私の認識では、理念というのは理想を実現するための現実的方法論と理想を繋ぐ架け橋であると考えています。 ここで護憲派の方々が語られている理想論あるいは理念に基づく考え方に、現実的方法論で担保された実現の可能性を見出せた試しがありません。 そんなものはまかり間違っても【理念】などとは呼ばない、単なる【お題目】としか呼べないと考えています。 閑話休題 その 2 自身より圧倒的に弱いものの手にあるパン、これを奪って食べなければ生き残れないとしたら、どうされますか。?? 話し合って分け合ったとしたら、双方とも死んでしまう現実があるならどうされますか。?? 悪法も法なりと言って、法を司る者の矜持と引き換えに餓死された判事さんがいらっしゃいましたよね。 極論すれば、その方と同じ選択をし己の生存欲に蓋をして餓死できる者がどのくらいいるのかということかと。 そういった人々が世界規模で圧倒的多数なら、軍備なんて無用の長物です。 しかしながら、弱い者を殴り倒してパンを奪う者の存在という現実がありませんか。 安全であろうと欲するならば、この現実に目をつぶることは出来ないのではありませんか。 こういった現実の存在が無視できるほど小さくならない限り、自身の安全を担保する実力いわば軍備が無くなることがないでしょうね。 人間に、生存したいというどのような崇高な理想であれ理念であれ凌駕してしまう根本的な欲求が有る限り、殴り倒してパンを奪う者がいなくなることはないでしょうから。 平和共存という状態を作り出そうとする動機、この根底にあるであろう理想と実現の実務的方法論との溝を埋める手段としての理念、これらを私は否定しません。 理想あるいは理念として高く掲げるべきものでもあるし、真剣に実現の方法を探り努力するべきでもあります。 但し、そういった理想や理念に忠実に自身を律し、観念的方法論でそういった状態を作り出せるほど、人類は成熟していないという認識が私の考え方の根底にあります。 >もう古くなったスレッド..(失礼省略)..これも予め御容赦願っておきます。 どのような動機であれ、方法であれ、ここで開陳した私の自論への反論は当然のことであると考えています。 反論される覚悟というか、否定された場合にきちんとした論理的反論が可能かという点で、推敲を繰り返してから投稿しています、 遠慮なさる必要などありはしません。 ただ、文脈が途切れないことを念頭において一部省略させて頂く場合があります。また、引用され反論の対象となった私の元投稿は私の判断で省略することもあります。 ここをあらかじめ了承ください。 それでは、少しずつ反論させていただきます。 失礼いたしました。 |
▼退役軍人さん: >随分と昔の話になりますが、私は三十年と少し前に理想と現実の違いを思い知らされました。 >人類愛だ、平和の希求だ、などといういわば理想が、圧倒的な現実に押しつぶされる光景をこの目で見たからです。> >それ以来、実現の可能性を現実的方法論で担保した理念しか、理念とは呼ばないと心に誓いました。> >私の認識では、理念というのは理想を実現するための現実的方法論と理想を繋ぐ架け橋であると考えています。> >ここで護憲派の方々が語られている理想論あるいは理念に基づく考え方に、現実的方法論で担保された実現の可能性を見出せた試しがありません。 >そんなものはまかり間違っても【理念】などとは呼ばない、単なる【お題目】としか呼べないと考えています。 その現実が変わるものであるか否か、その判断が先なのではなく、変えたいという動機・感性・現実が先にある。その感性をどう実現するか、その過程で感性が題目・理念になり、理論になる。 そうでないあなたの「理念」は現実を追認するだけのものである。現実に「ない」ものはあなたの興味の対象外だ。それは、単なる想像力の欠如、と言っておきます。 >自身より圧倒的に弱いものの手にあるパン、これを奪って食べなければ生き残れないとしたら、どうされますか。?? 為政者はそのような「理念」のもと、過去現在同じ過ちを犯して来ました。はたして十分それが根拠のある現状認識で、それがベターな選択であったか、今もそうか。 それを無理やり忘れようとするものだけが、このような比喩にならない比喩で悦に入ることができる。 |
▼退役軍人さん: >具体的反論をさせて頂く前に、反論の根底にある私の意識をお話しておきます >それ以来、実現の可能性を現実的方法論で担保した理念しか、理念とは呼ばないと心に誓いました。 > >私の認識では、理念というのは理想を実現するための現実的方法論と理想を繋ぐ架け橋であると考えています。 >ここで護憲派の方々が語られている理想論あるいは理念に基づく考え方に、現実的方法論で担保された実現の可能性を見出せた試しがありません。 >そんなものはまかり間違っても【理念】などとは呼ばない、単なる【お題目】としか呼べないと考えています。 退役軍人さんの「反論の前提として」を読ませて頂きました。この前提 の中に大変重要な問題が含まれているので議論したい。先ず最初に、民 主主義は理念であるとともに社会現象である、と言われます。貴方の意 識の中にある「実現の可能性を現実的方法論で担保した理念」に「民主 主義は入るや否や。 現代社会における民主主義は、現実にはたらきかける理念であるとともに、 理念にはたらきかける現実でもあります。現実にはたらきかける場合には 正統性を公認された領域の限定された範囲でしか通用しません。 理念の次元では普遍的通用性を主張できます。したがって、正統性を公認 される事実領域が普遍化して、はじめて理念の現実的通用範囲も普遍的と なります。 貴方の言われる「実現の可能性を現実的方法論で担保した理念」とは普遍 的通用性を主張できるや否や。若し、その理念が狭隘な意味であれば現実 的方法論そのものが脆弱なものになってしまいます。 理念とは、理性概念の原基であるので、そこのところからお聞きしたい。 |
昭和人さんいわく、「自衛に関する行動のみとるのであれば自衛隊の存在は9条に合致したもの」でありますが、9条の成り立ち、更に裁判所が憲法判断を回避した事由を追跡すると、やはり自衛隊の存在は「憲法違反」となります。戦闘状態において「自国防衛」のみを目的としていても「違反」となります。 日本国憲法9条が生まれた直接の動機は、連合国が日本を占領したときに作成された「マッカーサーノート」と呼ばれる文書の第二原則にあると言われています. マッカーサーノートの第2原則 引用開始 国家の主権的権利としての戦争を廃棄する。日本は紛争解決のための手段としての戦争、および自己の安全を保持するための手段としてのそれをも放棄する。日本はその防衛と保護を、いまや世界を動かしつつある崇高な理念に委ねる。 いかなる日本陸海空軍も決して許されないし、いかなる交戦者の権利も日本軍には決して与えられない。 引用終了 実際の憲法草案には上記の「自己の安全を保持するため・・・・・・」は削除されたものの、度重なる帝国議会にて追加修正が加えられ、現在の9条が出来上がりました.マッカーサーノートの「・・・・・世界を動かしつつある崇高な理念に委ねる」が第一項の「日本国民は正義と秩序を基調とする・・・・・」に反映され、「日本陸海空軍も決して許されないし、いかなる交戦者の権利も日本軍に・・・・」が第2項の「前項の目的を達成するため」に反映されております. 重要なのは、 「草案の段階では集団的自衛権どころか、個別自衛権すら認められていない」 ということです。 続きます. |
では、自衛隊は国が持つ「交戦者」に該当するか? 長沼ナイキ基地訴訟第一審判決(札幌地裁判決)の判決理由、4−3「同条(憲法第9条)第2項について」では、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という文言ですが・・・・ ・「陸海空軍」とは外敵に対する実力的な戦闘行為を目的とする人的、物理手段としての組織体 ・その組織体は国内治安を目的とする警察と区別される ・「その他の戦力」は陸海空軍以外の軍隊か、「〜軍」という名称をもたなくとも、持つ能力が「軍隊」に匹敵し、戦争目的に転化できる人的物的手段としての組織体と定義できる 以上により、自衛隊は「交戦者」としての性格・属性を帯びることなり、「軍隊、その他の戦力」による自衛戦争、制裁戦争も事実上認められないことになります。 さらに自衛隊の編成や能力、規模、装備から、自衛隊は明らかに「外敵に対する実力的な戦闘行為を目的とする人的物的手段としての組織体」と札幌地裁は認定しており、これは「交戦者」に該当するといえます. No.71912において昭和人さんの主張されている「要するに 戦争は一切禁止しています。(許されるのは 国内で侵略を受けたときの自衛行動だけです。−政府見解) 」すら認められないということです. 同訴訟控訴審判決(札幌高裁判決)では少し事情がかわりまして、次のような内容です。 ・自衛隊法に基づく自衛隊の設置、および装備から考えると、主たる任務を日本国防衛とする限り侵略的性格は帯びていない ・自衛隊の戦争遂行能力が他国軍隊と客観的比較をした場合に、他国へ侵略する能力を持ち合わせているかが問題である ・よって、他国侵攻が可能であれば司法判断の対象となる ・他国侵攻が不可能な場合は統治行為にかかわることなので、司法判断の対象とはならない 他国侵略が不可能な装備、編成であった場合は違憲ではないという考えだと判断できます. 百里基地訴訟第一審判決(水戸地裁判決)では、日本国が固有の自衛権を行使することは国家の基本的権利を行使するに他ならないと定義づけており(自衛戦争の容認)、9条1項が自衛戦争をも認めないということは今一度検討しなければならないと主張しております. さらに「外部から武力攻撃を受けた場合に、自衛のために必要な限度においてこれを阻止し排除するための自衛権を行使することおよびこの自衛権講師のための有効適切な防衛措置を予め組織、整備することは、憲法前文、第9条に違反するものではないというべきである」という主張から、自衛権行使のための装備のみであれば自衛隊の存在は憲法9条には違反しないという判断を水戸地裁は下しています。 逆にいうと、装備や能力が侵略的性格・属性を帯びている物全ての所持することを禁止するということです。自衛戦争に使えるものは侵略戦争にも使える、ということを念頭においてお考えいただきたい。 私たち改憲論者が目的とする憲法9条の改定はただ一つ、「第3項 自衛のための戦力は第2項の対象外とする」のような文言を追加することなのではないでしょうか? 昭和人さんの主張からすると、自衛隊や消防・警察・海上保安庁が装備する武装、編成、訓練内容が「他国を侵略する能力を絶対にもたない」ことを明確に、そして組織別に、総合的に説明することが必要であります。 また、以上の事柄により昭和人さんには「侵略的性格を持つ装備を排除した」状態で、戦闘行為については自衛戦争に特化した自衛隊の姿の提案とその理由の説明をしてもらう必要があります。 以上、よろしくお願いします. 参考文献:基本判例憲法25講 訂正版 初宿正典 編著 成文堂 1997年 |
風の旅人さん 大変よい内容のある書き込みを 有難うございます。 地方裁判所では、この50年にわたって、良い判決がでていることは承知しています。自衛隊に限らず有事立法関連などでも多くの訴訟の裁判闘争に注目していきたい。 書き込み内容は、全く同感です。 まとまった報告、著書などの紹介もありがとうございます。 今度 機会があれば、9条の会ー日弁連Gの会合などで 勉強会ができるように提案してみたい。 この種の書き込みを歓迎し、期待します。 |
▼昭和 人さん: 早速のレス、ありがとうございます. ぜひ、9条の会ー日弁連Gの会合などの見解がでましたら教えてください. さて、 ・長沼ナイキ基地訴訟札幌地裁判決では自衛隊を憲法9条第2項「その他の戦力」に該当すると認定 ・同訴訟札幌高裁判決では、明確に侵略目的となる装備・編成をしないかぎり違憲とならない ・百里基地訴訟第一審判決では、自衛目的であれば最小限の戦力の保持は憲法に違反しない ということが、判決文の一部に織り込まれております。 まず、自衛隊の存在が憲法に違反するかどうかの司法判断は国の統治行為にかかわる、という理由により回避されているが、時代により自衛隊の存在は司法によって認められております。 1、しかし、自衛隊の装備編成は本当に侵略的性格・属性を帯びていないのか? 2、また、侵略的性格・属性を帯びないまま、国土防衛を担うことが可能なのか? 第一項「国権の発動たる〜」を満足できるか? 昭和人さんは度々「国内で侵略を受けたときの自衛行動だけです。」と発言されておりますが、国内(領土のみならず領海・領空も含むと解釈する)において敵勢力に対し武力にて衝突することは「国際紛争」に、すなわち「国権の発動たる戦争」に該当すると思われます.自衛のための「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使」は第一項に違反しないのか? まず、この3点が議論の焦点になるかと思います. 昭和人さんの見解をお願いします. |
▼風の旅人さん: >▼ >・長沼ナイキ基地訴訟札幌地裁判決では自衛隊を憲法9条第2項「その他の戦力」に該当すると認定 >・同訴訟札幌高裁判決では、明確に侵略目的となる装備・編成をしないかぎり違憲とならない >・百里基地訴訟第一審判決では、自衛目的であれば最小限の戦力の保持は憲法に違反しない > ということが、判決文の一部に織り込まれております。 > > まず、自衛隊の存在が憲法に違反するかどうかの司法判断は国の統治行為にかかわる、という理由により回避されているが、時代により自衛隊の存在は司法によって認められております。 > 1、しかし、自衛隊の装備編成は本当に侵略的性格・属性を帯びていないのか? > 2、また、侵略的性格・属性を帯びないまま、国土防衛を担うことが可能なのか? > >第一項「国権の発動たる〜」を満足できるか? > 昭和人さんは度々「国内で侵略を受けたときの自衛行動だけです。」と発言されておりますが、国内(領土のみならず領海・領空も含むと解釈する)において敵勢力に対し武力にて衝突することは「国際紛争」に、すなわち「国権の発動たる戦争」に該当すると思われます.自衛のための「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使」は第一項に違反しないのか? 私の見解は次のとおりです。 1、しかし、自衛隊の装備編成は本当に侵略的性格・属性を帯びていないのか (答) 基本的には、自衛隊は専守防衛型でできているので自衛隊法等法令を守る限りは侵略型にはなっていない。 但し、自衛隊の装備、兵力だけからみると、侵略的性格も可能である。 2、また、侵略的性格・属性を帯びないまま、国土防衛を担うことが可能なのか (答)可能である。 但し最近、有事法制などで自衛隊法の改正が頻繁に行われている中で、心配の面が多々あります。 国会、国民の厳重な監視と裁判が前提になるでしょう。 3、国内(領土のみならず領海・領空も含むと解釈する)において敵勢力に対し武力にて衝突することは「国際紛争」に、すなわち「国権の発動たる戦争」に該当すると思われます.自衛のための「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使」は第一項に違反しないのか? 上記の文は幅が多いので答え難い。 解りやすく言う。 (答) 他国から、日本国に侵略があり国民の生命・財産が犯されたら、「防衛出動」(自衛隊法76条)によってよい。 憲法9条に違反しない。(自然法的、国民の自衛権の行使とみる) > > まず、この3点が議論の焦点になるかと思います. > 昭和人さんの見解をお願いします. まとめて書くと 憲法の下、次のことを堅持する。 ・専守防衛に徹する。 ・文民統制の確保。 ・非核三原則を守る。 ・自衛隊の海外派兵は禁止する。(集団的自衛権の行使はしない) ・国際的な安全保障環境の改善に努力する。 ・国防(災害を含む)は、自衛隊に頼らない、防衛力の見直しと、国の総合力の組織化を図る。 (参考:最新版の防衛白書では、ほぼ同様な方針が書かれている) きつい質問ですが、率直に簡潔に(誤解される心配あるが)回答しました。 詳しくは別途、書きたいと思います。 結論は、国防のために、憲法9条は、今は、変える必要がない。 |
▼昭和 人さん: 認識に誤りがあるように感じますので, 横から失礼いたします。 >基本的には、自衛隊は専守防衛型でできているので自衛隊法等法令を守る限りは侵略型にはなっていない。 >但し、自衛隊の装備、兵力だけからみると、侵略的性格も可能である。 軍事には退役軍人さんほどくわしくありませんが,自衛隊の装備で侵略はできないと思います。 まず兵を運ぶのに,方法がありません。揚陸艦もありません。戦車などを運ぶ船舶も皆無です。 それに,相手の軍事施設を破壊するための爆撃機もありません。 もちろん,空母もありません。 自衛隊では,一番近い台湾や韓国でさえも侵略できないでしょう。 一時的な侵略はもちろんできますが,痛いしっぺ返しを食らうことはまちがいありません。 そういう意味で,できないと思いますが。 |
ちなみに一時的な侵略と記しましたのは, 「領空侵犯」や「領海侵犯」ぐらいの軽いものを想定して書きました。 |
▼昭和 人さん: >私の見解は次のとおりです。 こういうのを、”解釈改憲、昭和 人さん版”って言うんです。 >憲法の下、次のことを堅持する。 >・専守防衛に徹する。 >・文民統制の確保。 >・非核三原則を守る。 >・自衛隊の海外派兵は禁止する。(集団的自衛権の行使はしない) >・国際的な安全保障環境の改善に努力する。 >・国防(災害を含む)は、自衛隊に頼らない、防衛力の見直しと、国の総合力の組織化を図る。 >(参考:最新版の防衛白書では、ほぼ同様な方針が書かれている) そのこと自体に反対しているんじゃないんです。 改憲派の皆さんも、上記の件には あまり反対しないんじゃないかな。 >結論は、国防のために、憲法9条は、今は、変える必要がない。 現憲法ができたのは、自衛隊ができる前なんです。 当然ながら、貴君の主張など どこにも書いてない。 当時は考えてもいなかったんです。 後から 勝手に解釈してはいけませんよ、というのが改憲派の論です。 あなたの国防論をも、キチンと盛り込んだ新憲法を、国民投票を経てから作るべきだ、 と言っているのです。 p.s. よって、96条は天下の悪法、というのが小生の論。 |
▼J.J.Mackさん: >▼ レスを ありがとう。 > >>>>憲法の下、次のことを堅持する。 >>・専守防衛に徹する。 >>・文民統制の確保。 >>・非核三原則を守る。 >>・自衛隊の海外派兵は禁止する。(集団的自衛権の行使はしない) >>・国際的な安全保障環境の改善に努力する。 >>・国防(災害を含む)は、自衛隊に頼らない、防衛力の見直しと、国の総合力の組織化を図る。 >>(参考:最新版の防衛白書では、ほぼ同様な方針が書かれている) > >そのこと自体に反対しているんじゃないんです。 >改憲派の皆さんも、上記の件には あまり反対しないんじゃないかな。 評価していただきまして、ありがとうございます。安心しました。 > > >>結論は、国防のために、憲法9条は、今は、変える必要がない。 > >現憲法ができたのは、自衛隊ができる前なんです。 >当然ながら、貴君の主張など どこにも書いてない。 >当時は考えてもいなかったんです。 そうです。 だから、自衛隊法は、憲法違反にならないように作ったのです。 防衛白書でも「憲法下で」とは、このことを指しています。 > >後から 勝手に解釈してはいけませんよ、というのが改憲派の論です。 >あなたの国防論をも、キチンと盛り込んだ新憲法を、国民投票を経てから作るべきだ、 >と言っているのです。 国防論は「護憲9条で日本を守る I、II」とそれ以前にさんざん書きました。 改憲の必要はない、護憲9条ですから、新改憲法なんて、考えません。 > > >p.s. >よって、96条は天下の悪法、というのが小生の論。 いや違う。この憲法は、世界に冠たる立憲主義の近代硬性憲法です。 憲法は一般の法律とは違い、簡単に変えるべきでは ありません。 |
▼昭和 人さん: >>現憲法ができたのは、自衛隊ができる前なんです。 >>当然ながら、貴君の主張など どこにも書いてない。 >>当時は考えてもいなかったんです。 > >そうです。 >だから、自衛隊法は、憲法違反にならないように作ったのです。 >防衛白書でも「憲法下で」とは、このことを指しています。 憲法に反する法律を作ってはいけないのだから、無理やり自衛隊は違憲ではないという解釈をし、それにあわせた法律を作っているだけです。 「解釈」なんてものはいくらでも変えられるものです。 >>後から 勝手に解釈してはいけませんよ、というのが改憲派の論です。 >>あなたの国防論をも、キチンと盛り込んだ新憲法を、国民投票を経てから作るべきだ、 >>と言っているのです。 > >国防論は「護憲9条で日本を守る I、II」とそれ以前にさんざん書きました。 > >改憲の必要はない、護憲9条ですから、新改憲法なんて、考えません。 政府見解では「戦力」を「自衛に必要な最小限度を超える実力」と定義し、自衛隊は「最小限度を超えない実力」なのだから違憲ではないという判断です。 一方「戦力」を「警察力を超える実力」とする説もあり、これでは自衛隊は明らかに「戦力」と規定されてしまい違憲となります。 そして通説は「警察力を超える実力」説であり、自衛隊は違憲であるという説が有力なのです。 また「交戦権」は「交戦国に国際法上認められた権利」とするのが通説であり政府見解もそれに従っていますが、一方で「自衛戦争を含む戦争をする権利そのもの」とする説もあるのです。 現在の政府が自衛隊を合憲とし自衛戦争を認めていたとしても、この先どうなるかはわかりません。 「自衛隊は違憲であり、自衛戦争も認められない」という政府見解を打ち出す内閣が誕生しないなどと誰が言えるのですか? そんな内閣が誕生したら「こんなはずじゃなかった」では済まされない事態ですよ? >>p.s. >>よって、96条は天下の悪法、というのが小生の論。 > >いや違う。この憲法は、世界に冠たる立憲主義の近代硬性憲法です。 >憲法は一般の法律とは違い、簡単に変えるべきでは ありません。 「国民投票」という手順を踏むだけでも改正の困難さは一般の法律よりも格段に上がっていると思いますけどね。 「簡単に変えるべきではありません」と「絶対に変えるべきではありません」は全く違います。 現在の憲法は改正そのものはおろか、第一歩である改正の発議でさえも事実上不可能に近く、これでは「改正の議論さえもしてはいけない」と言わんばかりのものになっています。 実際に改正するかどうかはともかく、その時その時で憲法を、ひいては国のあり方を見直す議論はすべきです。 そのためにはせめて発議のハードルは低くなければなりません。 発議=改正ではないのですから。 |
DonDonさん ご指摘を ありがとうございます。 概ね了解できます。 |
昭和 人さん、おはようございます。 ▼昭和 人さん: <省略> >私の見解は次のとおりです。 > >1、しかし、自衛隊の装備編成は本当に侵略的性格・属性を帯びていないのか >(答) >基本的には、自衛隊は専守防衛型でできているので自衛隊法等法令を守る限りは侵略型にはなっていない。 >但し、自衛隊の装備、兵力だけからみると、侵略的性格も可能である。 ご自分で主張されている矛盾に気が付かれるべきです。 軍備が持つ道具としてその属性と能力を評価するという論点と、この道具をどう使えば違った属性となるのかという論点。 これは次元の異なる論点であることは明々白々でしょうに。 道具としての評価で、自衛隊法の遵守という前提をあげてこれを否定しておきながら、同じ道具の使い方という点で属性の違いを指摘される。 矛盾してます。 都合のよい部分だけを切り取った主張なんて通用しませんよ。 >2、また、侵略的性格・属性を帯びないまま、国土防衛を担うことが可能なのか > >(答)可能である。 >但し最近、有事法制などで自衛隊法の改正が頻繁に行われている中で、心配の面が多々あります。 >国会、国民の厳重な監視と裁判が前提になるでしょう。 そんなもん不可能です。 ウランというエネルギー源の物理的属性はなんら変化しないものの、発電燃料として使えば人類の福祉に貢献し、核兵器として使えば人類に災禍をもたらす。 端的に例示すればこういうことなのです。 使い方によって、ウランの基本的な物理的属性が変わるわけじゃあありませんよね。 今語っているのは、軍備の使い方を憲法でどう規程するかという論点であって、基本的属性が使い方で変わることがないという前提が存在しますよ。 憲法や法律で規定できるのは、使い方だけです。 5.56mmのちっぽけな銃弾が当たれば、人は死ぬか怪我をする。 つまり、どのような編成に特化させようと軍備が持つ殺傷と破壊の道具という基本的属性が変わるわけではありません。 >3、国内(領土のみならず領海・領空も含むと解釈する)において敵勢力に対し武力にて衝突することは「国際紛争」に、すなわち「国権の発動たる戦争」に該当すると思われます.自衛のための「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使」は第一項に違反しないのか? > >上記の文は幅が多いので答え難い。 >解りやすく言う。 >(答) >他国から、日本国に侵略があり国民の生命・財産が犯されたら、「防衛出動」(自衛隊法76条)によってよい。 >憲法9条に違反しない。(自然法的、国民の自衛権の行使とみる) またこんな矛盾を、だから後先が逆だと指摘しているのです。 自然法的とか自衛権の行使とかいうのは、軍備の保有を憲法で認めた場合に初めて議論の対象となる論理です。 行使しようがしまいが、憲法九条第二項で明確に否定している軍備という戦力を保有しているのは誰にも否定できません。 そもそも憲法に違反しているのであるから、違法の物をどう使うかという視点での議論が成り立つ訳がない。 以下の記述には、誰も反論しないと考えますので省略します。 実務論という肝心要の方法論が欠落した主張ではありますが。 失礼いたしました。 |
退役軍人さんへ あなたの言っていることは、難しくて わからない。 私は風の旅人さんへのレスを書いたのです。 どうぞ、同質問への あなたの 見解を書いてみてください。 併せて、憲法9条を変えたい理由を どうぞ。 |
▼昭和 人さん: >退役軍人さんへ >あなたの言っていることは、難しくて わからない。 > >私は風の旅人さんへのレスを書いたのです。 簡単なことです、要は使い方次第ということです。包丁は料理の道具としても使えますし、殺人の道具としても使えます. 退役軍人さんはそれを言いたいのでは? |
▼昭和 人さん: それから、 >私は風の旅人さんへのレスを書いたのです。 この一文は余計ですよ。 退役軍人さんは昭和人さんの回答に対する不備を指摘したに過ぎません。 その指摘に対して不明な点があるなら、それについての質問を退役軍人さんへされればよろしいのです. |
デスマーチ投入が確実となった風の旅人です(160人月の工数を投入してまだ人が足りないとはどういうこった?) ▼昭和 人さん: 早速返答をしていただきありがとうございます。が・・・・・・・、 >1、しかし、自衛隊の装備編成は本当に侵略的性格・属性を帯びていないのか >(答) >基本的には、自衛隊は専守防衛型でできているので自衛隊法等法令を守る限りは侵略型にはなっていない。 > 1、どのような根拠で「専守防衛型」である編成といえますか? 航空勢力をみますと、現在航空自衛隊で運用している攻撃型航空機は次の4機種です。 MD社製F−15D/DJ http://www.jda.go.jp/jasdf/refs/f15panph/f-15j06.htm MD社製F−4EJ(EJ改は対地攻撃能力有り) http://www.jda.go.jp/jasdf/refs/f-4ej/page3.html http://ja.wikipedia.org/wiki/F-4_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F) 参考用資料 三菱重工業社製F−1(対地攻撃可、退役済み) http://www.jda.go.jp/jasdf/refs/f1panph/shogen.htm http://ja.wikipedia.org/wiki/F-1_(%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F) 参考資料 http://www.mhi.co.jp/nasw/products/seihin/f-1.html 三菱重工業社製F−2(対地攻撃可) http://www.jda.go.jp/jasdf/refs/f-2s/f2.2.htm http://ja.wikipedia.org/wiki/F-2_%28%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F%29 参考資料 内F−15やFー2は空中給油機能を備え、空中給油機さえ導入すれば海外の領土を爆撃・攻撃することが可能となります.よって、この機材の存在自体が侵略性を帯びることになるのではないでしょうか? >但し、自衛隊の装備、兵力だけからみると、侵略的性格も可能である。 可能性があるのであれば、違憲の可能性をも認めることとなります. > >2、また、侵略的性格・属性を帯びないまま、国土防衛を担うことが可能なのか > >(答)可能である。 >但し最近、有事法制などで自衛隊法の改正が頻繁に行われている中で、心配の面が多々あります。 >国会、国民の厳重な監視と裁判が前提になるでしょう。 詳細をお聞きしたいです。 なお、現状の有事法制をどのように変更すれば心配の種になるのでしょう? > >3、国内(領土のみならず領海・領空も含むと解釈する)において敵勢力に対し武力にて衝突することは「国際紛争」に、すなわち「国権の発動たる戦争」に該当すると思われます.自衛のための「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使」は第一項に違反しないのか? > >上記の文は幅が多いので答え難い。 >解りやすく言う。 >(答) >他国から、日本国に侵略があり国民の生命・財産が犯されたら、「防衛出動」(自衛隊法76条)によってよい。 >憲法9条に違反しない。(自然法的、国民の自衛権の行使とみる) この「自然法」という概念がよくわかりません. 「自然法」の、規則(法律の意)としての立場は日本国憲法の上にあたるのか、下にあたるのかを教えてください. 「国民の自衛権の行使とみる」とは刑法36・37条による権利の行使ですか? また、「防衛出動」中に敵勢力と武力衝突し交戦状態に陥った場合、「交戦」は認められるか?(第1項に抵触しないか) 「交戦権」が自衛隊に認められない場合、局地的戦闘において先制攻撃は認められるか(認められない状態で先制攻撃を実施した場合、自衛官は殺人罪(刑法199条)等に問われる可能性はあるか? 敵勢力に対しても同様。憲法31条にも及ぶと思われ) また、刑法37条は適用可能か? (交戦権が降りない状態で)敵勢力による先制攻撃を受けた場合、自衛官に対して正当防衛は認められるか? 自衛隊法87・88・95条は憲法第9条第2項に抵触しないか? 「防衛出動」は「国権の発動たる戦争」に抵触しないか? そもそも武力侵攻に対する武力を用いた「自衛権」は憲法では認められているか? 以上のような疑問が湧いてくると思うので、回答をお願いします。 |
戦闘機のデータを有難うございました。 この一部は、江畑氏の著書等で知っていましたが、ここまでは知りませんでした。 未だ全部を見ていませんが、後でよく見て勉強してみたい。 感想を述べます。 (1)自衛防衛か侵略性かは、防衛軍備のハードによって決まるものでなく国防責任者の指揮によるオペレーション、コマンドで左右されるものだと思う。 攻撃専用(昔の特攻魚雷のような)の武器とか、防衛専用の武器とかは無いか少ないでしょう。 ソフトウエアで決まる問題だと思う。 自衛防衛力は強いほど良い。 利用、運用で自衛か侵略攻撃かは決まるのではないでしょうか。 だから、戦力の大きさと憲法で禁止する戦力、交戦権とは関係ない。 防衛力の構築は国の財政と相談して、効率的、新技術にのっとたものであるべきです。 (2)国民の生命、財産を守る「自然法的自衛権」とは、国際法それ以上、憲法以前の、もっと上位にある「自然法」に基づく理念であり、国際的、人類の法を指します。 いろいろな思想、法理論があるようですが、私は下記あたりが原則的だと考えます。 http://jidaijuku.s23.xrea.com/shizen.html 私は世界の各民族が信奉する「神」が作った法だと思います。旧約聖書のモーセの十戒が一番共通的で解りやすいのでは。 (3)自衛隊法の改正または有事関連法案で、最も自衛隊が憲法9条違反に近い違憲性の強いのは、ご存知の「周辺事態」への対応です。 これは明らかに、日本の領域を逸脱した、集団的自衛権の行使に繋がります。 自衛隊による日本国の防衛は日本領内に限定すべきであり、憲法9条全体の意味から政府(法制局)も海外派兵は自衛の範囲外であり違憲としてきた。 質問はこんなところだったでしょうか。 ・その他関連追記 国防に完全はあり得ない。 特に、専守防衛の行動は軍事技術的にも非常に難しいと思います。 専守防衛は侵略・攻撃よりも難しい。 私は憲法問題を考える度に、わが国の防衛は、自衛隊のほか、海上保安庁、警察、消防、災害警備等を統合した、防衛組織を基本方向とする防衛体制の根本的な見直しが必要であると考えます。 風の旅人さん、今度、次回はイージス艦等、海上自衛隊の軍艦について、今日の戦闘機レベルの記述をお願いします。 併せて、9条改憲の理由について、お聞かせください。 |
▼昭和 人さん: 横から失礼。 >風の旅人さん、今度、次回はイージス艦等、海上自衛隊の軍艦について、今日の戦闘機レベルの記述をお願いします。 データだけなら、ネットで検索すれば手に入ります。 まず、ご自分である程度調べてから解らない内容を質問されるほうが、より理解しやすくなるでしょう。 失礼しました。 |
ご親切にありがとうございました。 そのとおりですね。 必要なときには、そうします。 |
▼昭和 人さん: >この一部は、江畑氏の著書等で知っていましたが、ここまでは知りませんでした。 江畑謙介氏の「日本の軍事システム 〜自衛隊装備の問題点〜」講談社現代新書 刊ですか? >未だ全部を見ていませんが、後でよく見て勉強してみたい。 製造元の商品紹介を閲覧されたほうがより勉強になると思います. ボーイング社 http://www.boeing.com/ids/ ロッキードマーチン http://www.lockheedmartin.com/wms/findPage.do?dsp=fec&ci=9&sc=400 >感想を述べます。 感想ではなく、昭和人さんの「回答」と「見解」をいただきたかったのですが・・・・・・・。 >(1)自衛防衛か侵略性かは、防衛軍備のハードによって決まるものでなく国防責任者の指揮によるオペレーション、コマンドで左右されるものだと思う。 どのような兵器を装備しようが、運用で性格がきまるということですね? その点について同意いたします. > >自衛防衛力は強いほど良い。 >利用、運用で自衛か侵略攻撃かは決まるのではないでしょうか。 >だから、戦力の大きさと憲法で禁止する戦力、交戦権とは関係ない。 しかし、イージス艦の存在や空中給油機の装備は憲法論議に発展しているのでは? http://www.jca.apc.org/~husen/itiran.htm MDシステムにしろ、米国とのデータリンクなどの関係で憲法論議が起きているようです. http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/p20050723ddm003010019000c.html >防衛力の構築は国の財政と相談して、効率的、新技術にのっとたものであるべきです。 現状がそのような状態であると思いますが. >(2)国民の生命、財産を守る「自然法的自衛権」とは、国際法それ以上、憲法以前の、もっと上位にある「自然法」に基づく理念であり、国際的、人類の法を指します。 >いろいろな思想、法理論があるようですが、私は下記あたりが原則的だと考えます。 > >http://jidaijuku.s23.xrea.com/shizen.html ここの考え方が良くわかりません. 「自然法」という存在が観念上の存在であり、その存在が「人」個体に対する「自衛権」をも認めている、という話はわかります. しかし、この自衛権は「国家(人の集団)」に対しては認めているのか? 「自然法」が定める「自衛権」の行使による戦闘は憲法が定める「武力行使の禁止(自衛も含むと思われる)」と衝突しないか? そもそも「武力」とはなんぞや? 「自然法」で「国家」に対して「自衛権」が認められるなら、「自然法」を継承する「憲法」に対して「自衛権」に関する定義を追記すべきなのでは? (武装しちゃいかん!と言っている憲法と、自衛のための武装と武力行使はOKという解釈が可能な「自然法」とは、すでに機能衝突を起こしている) 続きます。 |
続きです. >(3)自衛隊法の改正または有事関連法案で、最も自衛隊が憲法9条違反に近い違憲性の強いのは、ご存知の「周辺事態」への対応です。 >これは明らかに、日本の領域を逸脱した、集団的自衛権の行使に繋がります。 現在の戦闘に関して、攻撃拠点が外国領土の場合はどうするのか?という疑問もあります。しかも、ミサイルに限定して話すと迎撃システムの信頼性と能力が低い、相手国のミサイル生産能力が無限に近い(仮定です、物量作戦でこられたら対抗は無理)という状態があった場合、どう対処するのか、という質問です. >質問はこんなところだったでしょうか。 > 聞きたいことに対する回答が「自然法」だけですか・・・・・・・・。 戦争は「国家業務」です。よって、戦時においては自衛隊員は「国家業務」としての「戦争」を遂行することになります(最悪武力行使).自衛隊法ではその規定がなされておりますが、自衛隊法が継承する「憲法」が武力保持と交戦権を認めていない以上、外国勢力が日本領内で武力行使し、それに対抗しうる自衛隊がいたとしても「憲法」の「交戦権の否認」によって武力行使が禁じられております. つまり、「自衛権」としての「交戦権」も憲法9条では認めていないと解釈できます。 ということは、必ず攻撃の一手を敵勢力が指さない限り自衛隊員は日本領内でも「先制攻撃」はできないことになります. 交戦権に関する見解(参考) http://www.tkfd.or.jp/division/research/member/002column4.shtml >私は憲法問題を考える度に、わが国の防衛は、自衛隊のほか、海上保安庁、警察、消防、災害警備等を統合した、防衛組織を基本方向とする防衛体制の根本的な見直しが必要であると考えます。 どのような見直しが必要なのでしょうか。具体例をお願いします. 海上自衛隊のホームページより艦船一覧と装備を見ることができます。 http://www.jda.go.jp/JMSDF/gallery/ships/index.html イージス艦資料 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%94%E3%81%86%E5%9E%8B%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E8%89%A6 イージス艦資料(参考) http://www.masdf.com/news/isokaze.html >併せて、9条改憲の理由について、お聞かせください。 聞かないほうが良いですよ. 憲法論議そのものが台無しになるので。 |