Page 633 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼老人党「未来をつくる百冊の本」6 ぎみゆら 05/7/14(木) 11:26 ┣A・ウェベール『娘たちと話す 左翼ってなに?』 ぎみゆら 05/7/14(木) 11:39 ┣濱谷正晴『原爆体験 六七四四人・死と生の証言』 ぎみゆら 05/7/14(木) 12:03 ┃ ┗Re(1):濱谷正晴『原爆体験 六七四四人・死と生の証言』 安本単三 05/7/14(木) 14:36 ┃ ┗Re(2):濱谷正晴『原爆体験 六七四四人・死と生の証言』 ぎみゆら 05/7/14(木) 22:18 ┣高橋哲哉『靖国問題』 ぎみゆら 05/7/30(土) 7:01 ┣わだつみ会 オセッカイ屋 05/7/30(土) 14:53 ┃ ┗『新版 きけ わだつみのこえ』 ぎみゆら 05/8/2(火) 3:51 ┣長田新編『原爆の子』 ぎみゆら 05/8/2(火) 4:16 ┣Re(1):老人党「未来をつくる百冊の本」6 rerere 05/8/12(金) 21:31 ┃ ┗関岡英之『拒否できない日本』 ぎみゆら 05/8/15(月) 20:00 ┗中沢けい『楽隊のうさぎ』 ぎみゆら 05/8/15(月) 20:20 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 老人党「未来をつくる百冊の本」6 ■名前 : ぎみゆら <gimiyura@fox.dti2.ne.jp> ■日付 : 05/7/14(木) 11:26 -------------------------------------------------------------------------
みなさま そろそろ新スレッドの告知をしなければとおもっていたところに、 Ray さん【56314】に50レス目を埋められてしまったので、(笑) これを機会に新しいスレッドを立てます。 老人党「未来をつくる百冊の本」6 *↓前スレッドは、こちらです。 ☆老人党「未来をつくる百冊の本」5 http://www.6410.jp/bbs/c-board.cgi?cmd=one;no=48908;id=sougou 《本スレッドの趣旨》 ●老人党の目的をすすめるために、役立つ本 ●多くの人に、広くすすめられる本 ●若い人との、対話の手がかりになりそうな本 ●いまさほど困難なく、手に入れたり、読んだりできる本 みなさんのご推薦、ご提案によって、上の四つの目安にかなうような 本を集めて、リストアップしてみましょう、というスレッドです。 「こんな本はどうだろう」と思いつくものがあれば、とりあえず、 書いてみてください。最近読んで面白かったものでも、どこかで 評判を聞いたというものでも。勝手ながら、いちおう私のほうで、 選定、分類、とりまとめをやってみますので。 また、すでにリストに上がっている本について、感想や、データ等の 間違いなど、気がついたことがあれば、何でも聞かせてください。 * 以前にも何度か書いたことがありますが、私はこのスレッドで、 「読書のすすめ」を呼びかけたいわけではありません。本という ものを、誰かと話したり、何かを働きかけたりする「道具の一つ」 として、活用してほしいと思っています。 今回、スレッドの趣旨に、「若い人との、対話の手がかりになり そうな本」という一項目を加えてみました。それも、上のような 気持ちから出ているものです。世代をこえた対話は、いろいろな 場面で、復活させたり盛り立てたりしてほしいことの一つです。 * 新スレッドを立てるにあたって、リストを更新するつもりだったの ですが、ちょっといま、その余裕がありません。なるべく早めに やりたいと思っていますので、いましばらくお待ちください。 引き続き、よろしくお願いいたします。 |
※前スレッドの、Ray さん【56314】へのお返事です。 http://www.6410.jp/bbs/c-board.cgi?cmd=one;no=56314;id=sougou * Ray さん、お久しぶりです。 ◇『娘たちと話す 左翼ってなに?』 (アンリ・ウェベール著、現代企画室、2004年) http://www.jca.apc.org/gendai/99sin/04index.html (上から二冊目の本) なんだかいかにもフランス人著者らしいというか、頑固さと 新鮮さが入り混じったとでもいうのか、面白そうな本ですね。 どこかで探して読んでみたいと思います。 ご紹介、ありがとうございます。 |
以下の本を、みなさまにご紹介したいと思います。 ◇『原爆体験 六七四四人・死と生の証言』 (濱谷正晴著、岩波書店、2005年) 〈書誌データ〉 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/4/0227420.html 〈編集部から〉 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0227420/top.html どんな本か、ということについては、上の「編集部から」に丁寧な 紹介がありますので、そちらをお読みになってください。私はまだ、 前から四割くらいのところまで読み進んだところなんですが、とても 読みごたえがあり、味わい深い本です。 この本について、お知らせしたい話題が、もう一つあります。 7月12日(火)の朝日新聞朝刊、文化総合欄(社会面の手前)、 大江健三郎氏が、『伝える言葉』〈被爆者への人間の視点〉という コラムで、この本のことを詳しく紹介しています。 大江氏は、もうずっと以前より、被爆者たちの運動、日本被団協 (日本原水爆被害者団体協議会、被爆者団体の全国組織)の活動を、 熱心に支援してきた方でもあります。 一昨日の朝日新聞朝刊です。ご覧になれる方、ぜひお読みになって みてください。 |
▼ぎみゆらさん: >以下の本を、みなさまにご紹介したいと思います。 > >◇『原爆体験 六七四四人・死と生の証言』 > (濱谷正晴著、岩波書店、2005年) > >〈書誌データ〉 >http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/4/0227420.html >〈編集部から〉 >http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0227420/top.html > >大江氏は、もうずっと以前より、被爆者たちの運動、日本被団協 >(日本原水爆被害者団体協議会、被爆者団体の全国組織)の活動を、 >熱心に支援してきた方でもあります。 > 若い日に原水禁運動をし、強烈な政治介入を受け嫌になったことは、どこかに書きました。すべての原水爆禁止を願う人はまず原水爆被害者の支援で一致すべきだったし現在もそうであるべきと思います。残り時間は少ないですが。 私には長崎被爆者の同僚がいましたので被爆者のリアルな話は聞いています。 東京も大阪もその他の都市も大空襲を受けました。それとどこが違うのだという人もいます。 しかし決定的に違うのは、後遺症の酷さと遺伝変異への恐怖です。 私は確か中二の頃、被爆妊婦から産まれた無頭児のホルマリン漬け標本を(大学病院で?)見て愕然としました。 被爆して一見健全でこられた方であっても、自分自身の子に遺伝変異がおきるのではないか?周囲からも結婚相手としてはどうもというような差別もありました。そういう意味で被爆を隠してこられた方もいます。 長崎被爆者の同僚は非常に陽気な性格で、バカなオレに立派な息子が産まれたのは 原爆による突然変異のおかげだなどと冗談を言っておりましたが、これは本心どんなに恐怖していたかの裏返しです。 本の紹介ありがとうございました。 |
安本単三さん 思わぬ形でレスをいただき、ありがとうございます。 正直いって、少し涙が出ました。 母からごく最近、二三年前だったように記憶していますが、聞いた 話なのですが、こんなことがあったそうです。 昭和30年代の、東京近郊の出来たての公団住宅。昔づくりの、二階 建ての棟割り長屋。猫の額のような庭もいちおうある、その掃き出し 窓近くで、一歳になるかならないかの私が、一人で遊んでいた。 週末かなんかだったのか、父母ともに家にいて、母は台所仕事か なんか、父は新聞のキリヌキかなんか。父のほうが距離的には私の そばにいたけれど、いずれ、どっちの目も、私からは離れている。 それでなんか、私が、まだその頃のことだから、いまとは比べものに ならないほどペナペナの、その掃き出し窓のガラスを割っちゃって、 その破片で口の脇を切って、血を流していたらしいんです。 なにか様子がおかしいと、なにか察した母が、こちらに駆け寄って 来たら、一歳前後の私が、口の脇から血を流しながらニコニコして いて、その向こうで、そのころ二十代の父が、顔面蒼白になって、 彫像のように固まっていたといいます。 いまから思うと、どうも、その瞬間、私が白血病を発したと思い、 愕然とした。そういうことみたいなんです。 前にも書きましたが、私の父は、長崎被爆者といっても、なんの ケガも病気もしていない、「最も幸運な被爆者」なんです。私は、 そんな父と、その妻である母の、長男なわけです。 父も母も、とくに父は、私が生まれるときには、本当に、本当に、 大丈夫だろうかと、自分のこともいろいろ検査して、絶対に大丈夫だ と信じて、私を生み出したというのですね。 でも、その父が、子供がイタズラで、ガラスで口の脇を切って血を 流しているのを見て、ただそれだけで、その一瞬で、身が凍るほどの ショックを受けて、固まってしまった。 長男一歳の私に、遺伝で原爆症が出るなど、そんなことはあるはずが ない。科学的にも、統計的にも、確かめて、確かめて、絶対にないと 確信していた。 それなのに、ただ我が子の口元からひと筋の血が流れるのを見た だけで、全身が固まるほどのショックを受けた。 私は、原爆の本当の被害というのは、ある意味、こういうところに あるのだと、最近思っています。ヒバクシャというのは、まったく 無傷、無ケガ、無病であっても、あるいはむしろ、あらゆる意味で 無傷であるからこそ、一生傷つき続けるのだろうと思っています。 被爆者は、どんなに無傷でも、一生ヒバクシャなんです。 安本単三さんと、お友達の、大切なご経験を聞かせていただき、 本当に、ありがとうございます。 * このコメントを、お読みいただいているみなさまへ。 先にご紹介した本、濱谷正晴『原爆体験』(岩波書店)は、本当に、 素晴らしい本です。ぜひ、この本だけはぜひ、図書館とかではなく、 購入して、じっくり読んでいただきたいと、思っています。 どうか。 |
*** 老人党「未来をつくる百冊の本」 *** ◆『靖国問題』(高橋哲哉著、ちくま新書、2005年) http://www.chikumashobo.co.jp/top.html ※「旬の一冊」のいちばん下 先ほど読み終えました。 ちょっといま、紹介を書いている時間がないので、とりあえず、 上の出版元のサイトを見てください。 たいへん売れているそうです。しばらく前に、20万部を超えたと 聞きましたので、いまはもっと行っているのではないかと思います。 出版関係者のハシクレとしていいますと、こういった「地味」な テーマの本の売れ行きとしては、驚くべき数字です。 たしかに、いくつもの角度から、よく掘り下げられた論考でした。 靖国問題に対してどういう立場を取るにせよ、というよりむしろ、 自分の頭で靖国問題をきちんと考えてみたいというすべての人に、 ぜひおすすめしたい一冊と思いました。 できればまたいつか、感想なども書いてみたいと思っています。 |
日本戦没学生記念会の機関誌『わだつみのこえ』 |
オセッカイ屋さん、こんにちは。 ◇『新版 きけ わだつみのこえ』 (日本戦没学生記念会編、岩波文庫、1995年) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/5/3315710.html ◇『新版 第二集 きけ わだつみのこえ』 (日本戦没学生記念会編、岩波文庫、2003年) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/3/3315720.html 最初の本は、戦後50年の1995年に新版が刊行され、戦後60年の 今年も増刷されています。第二集のほうは、1943年の学徒出陣から 60年目にあたる2003年に新版が出されました。 どちらの本も、ぜひ今後とも、若い人たちに、長く読み継がれて ほしい本であると思います。大事な本を思い出させていただき、 ありがとうございます。 |
みなさま 上でオセッカイ屋さんが「わだつみ会」のことを言ってくださった ので、私ももう一つ、大切な本のことを思い出しました。 ◇『原爆の子』(長田新編、岩波文庫、1990年、上下) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/8/331771+.html 自らも広島で被爆した長田新(おさだあらた)先生が、平和教育の ために編集した、広島の少年少女達の真率な原爆体験記として、 あまりに有名な本です。エスペラントをはじめ十数カ国語に翻訳 され、世界的に感銘を呼びました。 もう一冊。 ◇『わたしがちいさかったときに』(童心社、1967年) http://www.doshinsha.co.jp/search/result.php?Author=%92%B7%93c%90V&DSID=5af662e0d02725356e3360799f53cba1 『原爆の子』の体験記集をもとに、いわさきちひろさんが鎮魂の絵を 添えた、永遠に読み継がれてほしい本です。文庫版も出ていますが、 この本は、できれば大きな版のほうで読んでほしい。 |
>《本スレッドの趣旨》 > >●老人党の目的をすすめるために、役立つ本 >●多くの人に、広くすすめられる本 >●若い人との、対話の手がかりになりそうな本 >●いまさほど困難なく、手に入れたり、読んだりできる本 > >みなさんのご推薦、ご提案によって、上の四つの目安にかなうような >本を集めて、リストアップしてみましょう、というスレッドです。 > ここでもたくさんの方が指摘されていますが、アメリカ政府の対日要求であるという郵政民営化。その要求書である「年次改革要望書」の存在を政府とマスコミは隠してきた。「年次改革要望書」は日本語版があるにもかかわらずわかりにくい。その言わんとするところをわかり易く書いてくれている本があります。 http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0731.HTML にも紹介されている関岡英夫著『拒否できない日本』を読んでみて下さい。 |
rerere さん、こんにちは。 ◇『拒否できない日本』(関岡英之著、文春新書、2004年) http://www.bunshun.co.jp/book_db/html/6/60/37/4166603760.shtml この掲示板でも、よその場所でも、何度か評判を聞き、自分用の 「読んでみたい本」リストにも入れながら、いまだにそのままに なっている本の一冊です。 ご紹介、ありがとうございます。 |
*** 老人党「未来をつくる百冊の本」 *** ◆『楽隊のうさぎ』(中沢けい著、新潮文庫、2003年) http://shinchosha.co.jp/cgi-bin/webfind3.cfm?ISBN=107231-0 かつての戦争への振り返りとか、衆議院総選挙とか、にぎやかな ときに、場違いかもしれないけど、ちょっとしたきっかけで読んだ、 とくに子供や若い人にすすめたい、もちろん大人にもすすめたい、 素晴らしい本を一冊を紹介します。 5年前に単行本が出て、ジワジワと売れ続け、2年前に文庫本になり、 いまでも子供たち、お母さんたちに読み続けられている本です。 内気、小心、イジメられ気味だった男の子が、中学入学時にひょんな ことから吹奏楽部に入り、あれやこれや、というお話です。 「お話」なんで、ストーリーは書きませんが、私たち人間が志を持つ ということ、人と人とが何かを一緒にやるということとは、いったい どんなことなのか。そして、最も憎むべきなのは、「生き生きとした ものを殺すもの」すべてなんだということ。そういった、とっても 大事なことを、読みやすく、きちんと書き表している「お話」です。 ご老人と、若い人が、それぞれに読んで、どこが面白かったとか、 何を感じたとか、そんなふうに「使って」ほしいなと、とっても 思った一冊でした。お子さま、お孫さまへの、何か「節目」のときの プレゼントに、最適の一冊なのではないか、とも思います。 |