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 ▼日本人の観察した日本人  寺嶋眞一 04/10/23(土) 19:48

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 ■題名 : 日本人の観察した日本人
 ■名前 : 寺嶋眞一 <terasima@gold.ocn.ne.jp>
 ■日付 : 04/10/23(土) 19:48
 ■Web : http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
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   宮本政於の著書〈お役所の掟〉には、官僚絶対主義のことが出ている。以下は、著者(宮)と厚生省幹部(幹)との会話である。
宮「憲法に三権分立がうたわれているのは、権力が集中すると幣害がおきるから、との認識に基づいているのでしょう。今の日本のように、官僚組織にこれだけ権力が集中すると幣害もでてきますよね」、幹「ただ、日本はこれまで現状の組織でうまく機能してきたのだ。それによく考えてみろ。いまの政治家たちに法律を作ることをまかせられると思うのか。そんなことをしたら日本がつぶれる」、宮「日本の立法組織にそれほど造詣(ぞうけい)が深くないのですが、私も認めざるをえません」、幹「そうだろう。『やくざ』とたいしてかわらないのもいるぞ」、宮「私もテレビ中継を見て、これが日本を代表する国会議員か、と驚いたことがなん度かあります。とくに、アメリカとか英国とは違い、知性という部分から評価しようとすると、程遠い人たちが多いですね。でも中には優秀な人がいるんですがね」、幹「政治は数だから。いくら優秀なのがひとりふたりいてもしようがない。ある程度の政治家たちしかいないとなれば、役人が日本をしょって立つ以外ないのだ」。
宮本政於(宮)は、三権分立についての意見を厚生省の幹部(幹)たちとの会食の機会に述べた。以下は、宮本政於の著した〈お役所の掟〉のなかに出てくる、そのときの会話の一部である。日本の現状を反映していて興味がある。
幹「国会なんてそんなもんさ。俺がお前みたいに初めからバカにした態度をとらないのは、程度の悪い議員でも、いちおう国民に選ばれた人たちだからだ。だから形だけでも尊敬の念を表すことにしている」、宮「ところで、官僚の中から、権力一点集中の問題点を指摘するような人が出ても、いいのではないですか」、幹「君は世の中の見方が甘い。せっかく権力を手に入れた人間が、簡単に手放すような真似をすると思うか。政治家が努力して解決する問題なのだ」、宮「でも、現状を見ていると政治家が自分たちを改革するのは不可能ですよ。選ばれる人も選ばれる人なら、選ぶ人も選ぶ人ですからね。しかし、局長の理論だといつまでたっても官僚絶対主義は変わりませんよ」。
ある晩、宮本政於(宮)は厚生省の幹部(幹)たちと会食する機会をえた。そのときの会話の一部は<お役所の掟>に記されている。今の国情を反映していて興味がある。
幹「うがった見方といわれるかもしれないが、国会議員はいまのままでいてほしいのだ」、宮「法案作成能力に欠けた立法者にしておく、ということですか」、「まあ、そんなところかな。法律に基づいて国を運営する。これもひとつの権力かだよな。でも、法律を作るということは、もっと大きな権力を持っていることなのだ」、「それは私もそう思います。権力はいったん手に入れたらだれも手放したくない。これはひとつの真理ですよね。官僚がいつまでも権力を握っていたい、が本音なのですね」、「穏やかな発言とはいえないが、そういう見方もある」。
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