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 ▼どうしようもない現政権の国際感覚  流水 05/2/8(火) 11:28

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 ■題名 : どうしようもない現政権の国際感覚
 ■名前 : 流水
 ■日付 : 05/2/8(火) 11:28
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   先月末、二つの大きな国際会議が開かれた。
一つは、スイスで開かれたダボス会議であり、一つはブラジルのポルトアングレイで開かれた世界社会フォーラムである。

この二つのフォーラムは、対照的な性格を持っている。ダボス会議は、もともと世界の経済人・知識人が集まる会議だったが、これに政治家が参加するようになり、世界の関心を集めるようになった会議である。世界中からわずか2200人しか参加できない、ということも参加者の自尊心を大いに満足させる会議である。
それにたいして、世界社会フォーラムの方は、誰でも参加できるため、会を追うごとに参加者の数は増加している。
この会議の目的は、当初から「反グローバリズム(反新自由主義)を標榜しており、世界中のNGO・NPOなどや後進国から参加している。

今回のダボス会議は、これまでの会議と異なり、世界の貧困問題について、かなり具体的な提案がなされた。
衛星中継で参加したフランスのシラク大統領は、かねてこの世界では懸案だった「国際連帯税」(トービン税)の創設を訴えるなど抜本的なアフリカ支援策を提案した。
これに刺激されたのか英国のブレア首相も債券を発行し援助金を前倒しして使える「国際開発資金調達制度」(IFF)を示した。

世界社会フォーラムのほうでも、世界の貧困問題について活発に討議された。

イラク問題であれほど【人道復興支援】を語り、インド洋の津波問題でも人道復興支援大国を競った日本は、これらの会議では何の提案を行っていない。

たしかに、トービン税(国際連帯課税)の問題は、ヘッジファンドを一番持っている米国の協力がなければ難しい課題であるが、少なくともこのような国際会議でこの問題に踏み込んだことは一歩前進である。それだけ、貧困問題が緊急を要する問題になりつつあるということであろう。
反グローバリズムを標榜する世界社会フォーラムの方にも、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の代表者も参加したそうである。多国間の債務削減が貧困問題解決の大きなテーマになっているからであろう。

今後の世界の動向を左右するような世界的会議であるにも関わらず、国会中を理由に日本の小泉首相をはじめ、主要閣僚は参加していない。
それだけ、国際的動向に感度が鈍いということであろう。
小泉政権の目には、世界といえば米国である、としかみえなくなっているのであろうが、この国際感覚のなさは日本の将来を考える上からもきわめて憂慮すべき事態であると思う。

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